グローバル人材育成プログラム
パーパスのつかみ方

新たなEVP(Employee Value Proposition:従業員への価値提案)

2021年の一年間、企業は従業員満足の向上のため福利厚生への投資を増やしてきたとされていますが、Gartner社*1の調査によると、現在の従業員が仕事から得られるものに満足していると考える人事担当者はわずか31%に過ぎないことがわかりました。 同社の調査によると、企業はEVP(従業員への価値提案)を刷新し、福利厚生にこだわるのではなく、従業員の社会的・感情的なニーズを充足する方向にシフトしなければならないことがわかりました。

Gartner社の人材育成部門のバイスプレジデントであるCarolina Valencia氏は、以下のように言います。「従来、企業はEVPを定義する際に、従業員を労働者として重視してきました。そうではなくて、雇用主は従業員を何よりもまず人間として見る必要があります。我々の調査によると、82%の従業員が、自分を単なる従業員としてではなく、一人の「人間」として見ることが組織にとって重要であると答えていますが、実際に組織が自分をそのように見ていると考えている従業員はわずか45%しかいません。」

新たなEVPの要素

Gartner社は、組織のEVPが従業員の社会的・感情的ニーズを満たすことに重点を置いている場合、EVPに対する従業員の満足度は15%上昇することを明らかにしました。また、このような方向性を持つ企業は、職にとどまり続ける意思、従業員の健康状態、他者に組織を推薦したいと考える傾向の向上につながることが分かっています。

新たなEVPの5つの重要な構成要素:

  1. 深い連帯 -「理解されていると感じる」
  2. 根本的な柔軟性 -「自律的でいられると感じる」
  3. 個人的な成長 -「評価されていると感じる」
  4. 全体的な幸福感 -「大切にされていると感じる」
  5. パーパス(目的)の共有 - 「役に立てると感じる」

新たなEVPを提供するために有効なもの

企業は、福利厚生に焦点を当てた旧来型のEVPの提供からシフトし、こうした社会的・感情的ニーズを満たすための包括的なアプローチで、汎用性があり、容易に立ち上げることができるものを求めているのです。当社では、プラットフォームを提供して企業内で「ピア(仲間)」同士をマッチングし、定期的にガイド付きのコーチングセッションを行うことで、仕事と個人の充足感を一致させることを支援しています。

ここで大切にしているのは、以下の5つの重要な要素すべてに対応することです。

1. 従業員とのより深いつながり
社員を組織内でマッチングし、縦割りの壁を取り払い、普段出会うことのない人たちの対話を可能にします。当社のプラットフォームの活用を通じてピアコーチングを経験した社員の89%が、有意義な関係を築き、それを維持するつもりであると報告しています。

2. 根本的な柔軟性
ピアコーチング・セッションを通じて社員は、意味や充実感と結びつける形で自分の仕事上の行動を確認していきます。これにより、従業員は優先順位をつけ、思考を整理し、最もエネルギーを得られる仕事に注力することができるようになります。このような取り組みをした社員のうち80%が、セッションを経てから完了した仕事の方が、やりがいや満足度が高まったと回答しています。

3. 個人の成長
この取り組みを経験した社員の78%が、ピアコーチングによってより成果を上げることができ、自己の成長につながったと報告しています。

4. 全体的な幸福感
ピアコーチング・セッションの後、従業員は開始前の2.4倍のポジティブな感情を持って帰っています。

5. パーパス(目的)の共有
参加者の85%が、現在の仕事や日々の仕事の中で、どのように自分のパーパス(目的)を体現することができるかを共有することができます。

新たなEVPで人と組織は変わる

私たちImperative社は創業当初から、仕事を人間らしくし、すべての社員が日々の仕事に充実感を持てるようにすることをミッションとしています。こうした人間中心の新たなEVPを運用することで、従業員とその組織の生活に有意義な変化をもたらすことが明らかになっています。


*1 Gartner社:IT分野を中心に調査・アドバイザリ業務を行う米国企業。

この記事の原文(英語)はこちらからご覧いただけます。
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