受賞作品
最優秀賞
優秀賞
優良賞
特別賞
日米協会会長賞
アルムナイ特別賞
審査員 講評
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)
理事長
藤沢 裕厚(審査員長)
東京国際大学教授
立教大学名誉教授
NHKラジオ「中学生の基礎英語2」講師
松本 茂 先生
今年は昨年よりもさらにレベルの高い作品ばかりで驚きました。どのエッセイもそれぞれに良さ・強みがあって甲乙つけがたく、審査に苦労しました。語彙選択、文のスタイル、分析の深みなど、高校生の英語を書く力は年々上がっていると感じています。これは、「論理・表現」という科目が導入されたことにも少なからず影響されているのではないでしょうか。どのエッセイでも、応募者が他の人とつながる経験を通して心を揺り動かされ、大切な知見を得て自分の世界を広げていくプロセスがダイナミックに描かれており、自然と引き込まれました。コミュニケーションとはまさしく「つながること」です。しかし、同じ「つながり」であっても、心が響き合うものから、無関心のまま通り過ぎ去っていくものまで、まちまちです。相手の言動をどう読み取り、どう反応するかはあなた次第です。これからも様々な人たちとの「つながり」から大切なことを学び取っていってください。
桜美林大学 名誉教授
異文化経営学会 会長
馬越 恵美子 先生
「つながる心、広がる世界」なんと心に響くテーマでしょう。これまでの「身近な異文化体験」をさらに進化・深化させていると思います。それに呼応するように、多くの優れた作品が寄せられました。一次審査を通過した作品を読ませていただきましたが、どれも説得力があり、書き手の一生の基盤となる深い“気づき”のある作品がいくつもありました。それはまさに私自身が半世紀以上前にアメリカの高校に留学し、ホームステイした時に心に刻まれた“気づき”と共鳴するものでした。こうして年を重ね、仕事や家族との多くの経験を積み重ねた今も、そのときに得た心の座標は変わりません。皆さんが今回、作品に真摯に取り組んだこと、それは一生の宝になるでしょう。人生でたとえ暗雲が立ち込める時があっても、ここで得た宝物は、必ずや光となり、みなさんの道を明るく照らすでしょう。
ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング 社長
ロッシェル・カップ 様
This year’s essays were quite perceptive and thought-provoking. Dealing with a wide range of situations, they showed a lot of deep thinking. I was particularly impressed with how encounters with people who are different was an opportunity for reflection and self-awareness. Although I often am thinking about diversity as part of my work, these essays suggested many areas that I had not considered.
公益財団法人 東洋文庫 専務理事
ハーバード大学アジアセンター 国際諮問委員
杉浦 康之 様
本年も読み応えのある作品が多く、採点には非常に苦労した。取り上げられたテーマも幅広く、障害者との交流からコミュニケーションの真髄に辿り着いた話や、移民・難民との交流を通じて自らの価値観を変えた話等印象に残る作品が多かった。またネットを参照した事象につき、その引用元のURLを脚注に記載した作品もあり、エッセイに対する基本姿勢として感心した。これからの時代、そのような心掛けは益々重要となろう。全体を通じ高校生諸君の感性の鋭さに頼もしさを感じ、また勇気も貰えた。その意味で、甲乙付け難い作品ばかりであったが、それでも差が付いたのは、第一に取り上げたテーマの普遍性と広がりであると思う。ちょっとした良い話というレベルと、読み手の考えや行動を変えるようなインパクトを持つ作品か否かという差である。次に、そのテーマをどこまで掘り下げたのかという点にあったと思う。何故だろうと自分に何度問いかけたのかという探求の違いである。参加された皆さんの一層の健闘を願って已まない。
日米協会会長賞 講評
一般社団法人 日米協会 会長
藤崎 一郎 様
本年も応募作品の中から 3 編に「日米協会会長賞」と副賞の記念メダルを差し上げます。
毎年素晴らしい作品が数多く応募され、その内容や表現力などは年々充実しているように思われます。このため日米協会での議論も例年になく白熱したものになりました。評価にあたっては、印象・インパクト、表現力、テーマとの合一性を評点の基軸にし、得られた経験を実践に繋げるコミットがされているかについても重視しました。受賞した作品はいずれも、自らの経験を思い思いの多様な表現によって鮮やかに描き出されている点に於いて実に素晴らしい作品でした。
コロナ禍が過ぎるやいなや世界の情勢は急速に変わる様相を呈しつつあります。如何に我々を取り巻く環境は変わろうとも、国際化の進展は避けて通れません。皆さんのような若い世代が、国際人として意識を持ち、世界中に仲間を増やしていくことが、日本の国際化にとって大変重要な課題です。皆さんがこれから社会の発展や国際交流に貢献されることを大いに期待しています。
アルムナイ特別賞 講評
アルムナイ特別賞審査員
第10回(2018年度)
最優秀賞 受賞
東京大学法学部(4年)
正岡 優一さん
第13回(2021年度)
最優秀賞・日米協会会長賞・
アルムナイ特別賞 受賞
慶應義塾大学法学部(1年)
矢野 絵理奈さん
第13回(2021年度)
優秀賞・日米協会会長賞 受賞
早稲田大学政治経済学部(1年)
溝口 理子さん
第14回(2022年度)
特別賞 受賞
立命館アジア太平洋大学国際経営学部(1年)
横田 卓己さん
アルムナイ特別賞の審査基準
アルムナイ審査員として独自に重視した審査基準は「素直な発見と学び」です。高校生ならではの視点から、日常生活における率直な気づきに対して行動し、学びを得て成長していくストーリーが描かれている作品が魅力的だと考えました。
当然独創性や表現の豊かさ、起承転結の構成、今年度テーマ(「つながる心、広がる世界」)との関連性などの審査基準も考慮させていただきましたし、受賞作品“Looking Through the Glass”はそれらの観点でも優れていると審査員一同感じました。
ただ、これらの評価軸は審査員団全体で一定程度共有されている内容ではないかと考えました。そのような中、アルムナイ審査員として独自に重視した評価軸を上げるとすれば「素直な発見と学び」ではないか、ということになりました。
アルムナイ特別賞 審査員による講評
アルムナイ特別賞の決定にあたり、議論の初めにいくつか候補となる作品を挙げさせていただきましたが、唯一、本作品のみが最初から全審査員が票を入れ、高く評価していたものでした。この作品を選ばせていただいた理由は主に以下3点になります。
まず、日本ではセンシティブともされる宗教というテーマを題材として、海外の環境で感じた素直な疑問に基づいて率直なコミュニケーションを試み、新しい学びを得ていくストーリーが大変新鮮で魅力的だと感じました。これはたしかにある程度特殊な海外経験に由来する気づきであり、多くの日本人が自分事として捉えられる日常的な気づきかと言われると一部疑問も残らなくはないですが、日本社会も宗教とは決して無縁ではないことに加え、少なくとも筆者が筆者にとっての日常の中で自ら行動して得た経験であるとは言えるではないかと考えました。
次に表現の豊かさというのも一つの理由となりました。最終審査に残った作品はどれも表現面で大変優れたものばかりでしたが、本作品については文章中のボキャブラリーや比喩表現(例:"Glass Cube"に関するもの)などを評価する声もありました。
最後に、起承転結の構成が明確で読みやすい点も評価の理由となりました。どの作品も何かしらの原体験から気づきに至る流れを基調としていますが、原体験と気づきのどちらの内容も充実していて、かつ原体験から気づきに至る体験や思考のプロセスについても描写が豊かにされている点が優れていると考えました。
参加校一覧
北海道・東北
北海道札幌国際情報高等学校 / 北海道札幌東商業高等学校 / 北海道登別明日中等教育学校 / 弘前学院聖愛高等学校 / 岩手県立花巻北高等学校 / 宮城県石巻高等学校 / 宮城県仙台二華高等学校 / 山形県立山形東高等学校 / 山形県立致道館高等学校 / 新庄東高等学校 / 福島県立郡山高等学校
関東・甲信越
開智望中等教育学校 / 作新学院高等学校 / 栃木県立佐野高等学校 / 栃木県立大田原女子高等学校 / 伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校 / 群馬県立高崎東高等学校 / 高崎商科大学附属高等学校 / さいたま市立浦和高等学校 / さいたま市立大宮国際中等教育学校 / 慶應義塾志木高等学校 / 国際学院中学校高等学校 / 市川高等学校 / 渋谷教育学園幕張高等学校 / 千葉県立千葉高等学校 / 和洋国府台女子高等学校 / クラーク記念国際高等学校 / 開成高等学校 / 学習院女子高等科 / 吉祥女子高等学校 / 工学院大学附属中学高等学校 / 広尾学園高等学校 / 江戸川女子高等学校 / 香蘭女学校 / 国際基督教大学高等学校 / 山脇学園高等学校 / 私立海城高等学校 / 私立富士見丘高等学校 / 私立頌栄女子学院高等学校 / 十文字高等学校 / 渋谷教育学園渋谷高等学校 / 女子学院高等学校 / 新渡戸文化高等学校 / 聖学院中学校高等学校 / 青山学院高等部 / 多摩大学附属聖ヶ丘高等学校 / 多摩大学目黒高等学校 / 大妻中野中学校・高等学校 / 東京音楽大学付属高等学校 / 東京家政大学附属女子高等学校 / 東京学芸大学附属国際中等教育学校 / 東京韓国学校 / 東京成徳大学高等学校 / 東京都立国際高等学校 / 東京都立桜修館中等教育学校 / 東京都立小山台高等学校 / 東京都立世田谷泉高等学校 / 東京都立総合芸術高等学校 / 東京都立東久留米総合高等学校 / 東京都立日本体育大学荏原高等学校 / 東京都立飛鳥高等学校 / 東京都立本所高等学校 / 宝仙学園高等学校 / 豊島岡女子学園高等学校 / 明治大学付属明治高等学校 / 立教池袋高等学校 / カリタス女子高等学校 / クラーク記念国際高等学校横浜キャンパス / フェリス女学院高等学校 / 横浜市立横浜商業高等学校 国際学科 / 横浜女学院高等学校 / 横浜中華学院 / 横浜雙葉高等学校 / 鎌倉女学院高等学校 / 慶應湘南藤沢中高等部 / 湘南白百合学園高等学校 / 神奈川県立愛川高等学校 / 神奈川県立座間高等学校 / 清泉女学院高等学校 / 聖ヨゼフ学園高等学校 / 聖光学院高等学校 / 洗足学園 / 日本大学藤沢高等学校 / 函嶺白百合学園高等学校 / 北鎌倉女子学園高等学校 / 新潟県立三条商業高等学校 / 新潟県立新潟南高等学校 / 新潟県立村上中等教育学校 / 新潟市立万代高等学校 / 中越高等学校
東海・北陸
高岡高等学校 / 金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校 / 山梨県立甲府西高等学校 / 日本航空高等学校 / 岐阜工業高等専門学校 / 私立中京高等学校 / 加藤学園暁秀高等学校 / 学校法人東駿学園御殿場西高等学校 / 静岡県立遠江総合高等学校 / 静岡県立浜松工業高等学校 / 東海大学付属静岡翔洋高等学校 / 不二聖心女子学院高等学校 / 愛知県立天白高等学校 / 安城学園高等学校 / 至学館高等学校 / 中京大学附属中京高等学校 / 豊川高等学校 / 名古屋国際高等学校 / 名古屋大学教育学部附属高等学校 / 名城大学附属高等学校 / エスコラピオス学園海星高等学校 / 三重県立松阪商業高等学校 / 三重県立津西高等学校 / 三重県立飯南高等学校
近畿
京都市立紫野高等学校 / 京都市立西京高等学校 / 京都市立堀川高等学校 / 京都府立洛北高等学校 / 同志社国際高等学校 / 立命館宇治高等学校 / 関西学院千里国際高等部 / 高槻高等学校 / 初芝富田林高等学校 / 初芝立命館高等学校 / 城南学園高等学校 / 清風南海高等学校 / 専修学校クラーク高等学院 / 専修学校クラーク高等学院大阪梅田校 / 大阪学芸高等学校 / 大阪府立千里高等学校 / 帝塚山学院泉ヶ丘高等学校 / 芦屋学園高等学校 / 甲南女子高等学校 / 夙川高等学校 / 神戸国際高等学校 / 神戸市立葺合高等学校 / 神戸女学院高等学部 / 神戸大学附属中等教育学校 / 須磨学園高等学校 / 灘高等学校 / 兵庫県立芦屋国際中等教育学校 / 兵庫県立国際高等学校 / 兵庫県立三田祥雲館高等学校 / 兵庫県立神戸高塚高等学校 / 兵庫県立長田高等学校 / 報徳学園高等学校 / 独立行政法人国立高等専門学校機構 奈良工業高等専門学校 / 奈良女子大学附属中等教育学校
中国・四国
鳥取県立倉吉東高等学校 / 鳥取県立鳥取東高等学校 / 松江西高等学校 / 岡山県立岡山朝日高等学校 / 岡山県立岡山芳泉高等学校 / 岡山県立総社南高等学校 / 鹿島朝日高等学校 / 安田女子中学高等学校 / 広島県立尾道東高等学校 / 広島市立広島中等教育学校 / 広島大学附属高等学校 / 徳島県立徳島北高等学校 / 英明高等学校 / 香川県立小豆島中央高等学校 / 高知県立高知国際高等学校 / 明徳義塾高等学校
九州・沖縄
クラーク記念国際高等学校 福岡校 / 東福岡高等学校 / 福岡県立戸畑高等学校 / 福岡県立八幡中央高等学校 / 福岡県立明善高等学校 / 佐賀県立致遠館高等学校 / 長崎南山高等学校 / ルーテル学院高等学校 / 府内高等学校 / 学校法人川島学園れいめい高等学校 / 沖縄尚学高等学校 / 学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校・S高等学校 / 昭和薬科大学附属高等学校
その他
上海日本人学校高等部 / 早稲田大学系属早稲田渋谷シンガポール校
お問い合わせ
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 IIBC高校生英語エッセイコンテスト事務局
コンテストについて
2024年度の第16回IIBC高校生英語エッセイコンテストには、個人・団体の両部門ともに過去最多の応募をいただきました。今年からテーマを「つながる心、広がる世界」と、従来の「身近な異文化体験」から変更し、さらに広い題材に着目してもらえるようにしました。例年通りだったのは応募作品のレベルの高さです。沢山の教え、気づきをもらいながらの審査でしたが、①テーマをいかに表現しているか、②導入部から作品に引き込まれるか、そして③同じ高校生が平易に共感できるか、の3つに重点を置きました。受賞作も選にもれた作品も非常に僅差でした。来年もさらに多くの作品を読ませていただくことを楽しみにしています。