SOMPOホールディングス株式会社 兼 損害保険ジャパン日本興亜株式会社 人事部

木村 奈実 氏

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2020年3月号

コンテストや海外研修などを実施し、会社全体の英語力アップを図る

顧客のグローバル化が進むことで国内事業部門でも英語が必要になると予測

東京都新宿区に本社を構えるSOMPOホールディングス株式会社の中核事業会社である、損害保険ジャパン日本興亜株式会社では、IIBCが企業・団体に行った調査の結果と同様に、今後は海外取引がある部署以外でも、英語の使用機会が増加するという見通しを持たれています。同社人事部の木村奈実氏は次のように語ります。

「当社で現在英語が必要とされているのは、経営層や海外との連携が必要な部署が中心です。しかし今後は、国内事業においても顧客のグローバ ル化が進んでいくと予測しており、それに対応するため、英語が必要になる部署は確実に増えていくと考えています」

そこで同社は、TOEIC L&Rのスコアで730点以上とることを、全社員に対して推奨しています。そして社員の英語力を伸ばすために、年4回のIPテストや年1回の英語力レベルアップコンテスト、海外研修などを実施。ただしあくまでも英語学習は自己啓発によるものと考え、海外研修を除けば、学習費用は原則自己負担としています。

社員が助け合いながら英語力を高めていく英語力レベルアップコンテスト

IIBC NEWSLETTER Vol.140 インタビュー SOMPOホールディングス株式会社 兼 損害保険ジャパン日本興亜株式会社 人事部 木村 奈実 氏

 

同社が独自に実施している英語教育施策の中の1つが、英語力レベルアップコンテストです。これは損害保険ジャパン日本興亜の各部署から、1チーム5名以上で参加を募り、チームのTOEIC L&Rスコアの平均点が6カ月間でどれだけ伸びたかを競い合うというものです。毎年120チーム程度、約1,000名が参加して行われています。

「このコンテストのいいところは、高いスコアをとっている社員が、ほかの社員に効果的な学習法を教えるなど、みんなで助け合いながら英語力を高めていけることです。またメンバーになると責任が生じるので、英語の勉強をおろそかにできなくなります。コンテストを実施してから、IPテストの受験者数も増加しています」

今回、企業・団体に行った調査では、効果的な英語教育施策のあり方をめぐって、各企業・団体が試行錯誤している様子が見えてきました。同社のように「社員同士が英語を学び合える場面を意識的に設ける」ということも、効果的な施策を考える際、1つのヒントになるかもしれません。

一方、同社がグローバルビジネスの第一線で働きたいというキャリアビジョンを描いている社員向けに実施しているのが、公募型の海外研修制度である「SOMPO Global University」です。これは、選抜した人材をシンガポール国立大学ビジネススクールに派遣し、英語で経営学の授業を受け、その後、日本人のいない環境で海外の修羅場経験を積むことで、経営の視点と英語力の両方を養うことを狙いとしたものです。

「ほかにも当社では、裾野拡大を目的とした1週間程度の短期海外研修制度も設けています。こうした海外研修をきっかけに英語力を高め、キャリアビジョンの実現へとつながる事例を増やしていきたいと思っています。研修を受けた社員がロールモデルとなり、多くの社員が『自分もあんなふうになりたい』と英語学習に対して前向きに取り組むようになることで、会社全体の英語力の底上げを図っていければと考えています」

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