IIBCエッセイコンテスト アルムナイ特別賞審査員に聞く
第13回IIBCエッセイコンテスト表彰式を開催
大学生となったアルムナイが語る
“受賞後に見えたもの”
“高校生へのメッセージ”
2022年3月号
英語だけでなく、外国語へと興味が広がった
小栗 章太郎さん
慶應義塾大学 商学部 3年 第8回IIBCエッセイコンテスト日米協会会長賞 受賞 受賞作品:Beyond Language
日米協会会長賞を5年前にいただいたことは、今でも光栄に思っており、受賞したことによって「自分でも活躍できることがあるんだ」と自信が持てるようになりました。自分の英語が通用することも分かり、現在では中国語も学ぶなど、外国語に対して大きな興味を抱くようになっています。
受賞によって受けた恩恵を、後輩となる高校生たちに伝え、背中を後押しすることができればと思い、これまでに数回、OBとして、IIBCエッセイコンテストの表彰式に参加してきました。そのような中、審査員募集のお知らせをいただき、迷うことなく応募したのです。
今回、アルムナイ特別賞の審査員として選んだ矢野絵理奈さんの作品は、全体としては静かで落ち着いた印象ですが、読んだ後に余韻が残り、読み返す度に味わい深くなる、すばらしいエッセイです。受賞したことが、今後の矢野さんの生活において、1つの糧になることを願っています。
私自身としては、中途半端な英語力で甘んじることなく、大学を卒業するまでには、教養のある英語を身につけたいと、日々研さんしています。特に英会話に力を入れており、毎日ウォーキングしながら、アウトプットのトレーニングを行っています。大学を卒業した後は、企業の中で、語学力が生かせる仕事に就くことができればと考えています。
英語学習を継続していく中で、英語とは、外の世界を見に行くパスポートだと感じるようになりました。物理的な旅をしなくても、英語を身につけることで、知識としての領域が広がり、自分の世界を開いていく格好のツールになるからです。特にライティング能力の向上は、単語や構文を定着させるため、会話や聞き取りなどにも有効です。IIBCエッセイコンテストに参加することは、書く力が身につくだけではなく、語学学習継続のモチベーションを高めることにもなるので、是非、高校生の皆さんは、チャレンジしてみてください。陰ながら応援しています。
ほかのことにも挑戦したいという気持ちがあふれ出た
近 由梨子さん
早稲田大学 国際教養学部 1年 第10回IIBCエッセイコンテスト優秀賞 受賞 受賞作品:An Eye-Opener for Me
3年前に優秀賞を受賞したとき、まさか自分が選ばれるとは思っていなかったので、飛び跳ねて喜んでいたことを今でも覚えています。受賞したことによって自信がつき、ほかのことにも挑戦しようという気持ちがあふれ出て、人生が変わったような感じがしました。例えば、近隣に在住する外国人向けのボランティアに参加して、これまで話したことがないような方とコミュニケーションすることで、いろんな異文化を知りたいと思うようになりました。また、ほかの受賞作品を読んで、表現方法や文章構成などがユニークだと思い、もっと英語学習をしたいというモチベーションにもなりました。
このような経験を、IIBCエッセイコンテストに参加している高校生たちに伝えることで恩返しをしたいと思い、今回、審査員に応募しました。私が受賞したときに、小栗さんがOBとしてスピーチされていたのを聞いて感銘を受けたことが、よりそのような気持ちを強くしたのだと思います。
アルムナイ特別賞の審査員として選んだ矢野絵理奈さんの作品は、しっかりとした自分の考えを素直に伝えているため、読んだ人の心に残り、かつ、すっきりとしてきれいな英文でありながら比喩が面白く、読んでいても飽きることがありません。このような矢野さんのエッセイは、今後同コンテストに参加する高校生たちに対し、影響を与えていくだろうと感じています。
私自身は今、経済に興味を抱いており、日本語に翻訳されていない英文の専門書を多読したり、日記を英文で書いたりするなど、日常生活の一部として英語を取り入れることで、その能力を高めています。今後は、海外に出て、国際的な仕事をしていきたいと考えています。
日本の高等学校の授業では、簡単な英文しか書かないと思いますので、同コンテストに参加することで、自分の思いを伝えるための英文を書くことに挑戦し、是非、知識を広げていただければと思っています。
認められたことが、恐れずに前へ進むモチベーションに
村瀬 結子さん
学習院大学 文学部 1年 第12回IIBCエッセイコンテスト特別賞 受賞 受賞作品:Culture through the looking glass
私は、小学校5年までアメリカに住んでいたのですが、英語も日本語も、どちらも使いこなせていないという思いがあり、ずっと自分が使う言葉にコンプレックスを抱いていました。そのような中、前回(第12回)のIIBCエッセイコンテストで特別賞をいただき、自分の英語を認めてもらえたことがとてもうれしく、それが自信へとつながり、恐れずに言葉を使っていこうというモチベーションになりました。
大学では心理学を専攻しながら、英語の論文を読んでディスカッションするといった授業に参加したり、ほかの学生の倍近く英語の授業を選択したり、さらには、塾講師のアルバイトで小学生(帰国子女)の英語のエッセイの添削をしたりするなど、日々、英語力の向上に努めています。このようなことができるのも、受賞で得た自信があるからだと思っています。
また私が受賞したときの表彰式では、コロナ禍での制限がある中、すてきなエッセイを書くほかの受賞者や、アルムナイ特別賞の審査員の方と出会い、有意義な話をすることができました。そのような場にまた参加したいと思い、審査員に応募しました。
私たちが審査員として選んだ矢野絵理奈さんのエッセイは、考えがよく練られていて、過度に作り上げた感じがなく、率直に書かれており、是非、直接お会いして話もしてみたいと感じました。わざとらしさは読者に伝わってしまうものです。多くの資料に目を通したり、演劇でも小説でも音楽でもいいので、自分と同じような考え方をする人が表現しているものにたくさん触れたりしながら、自らの考えを整理して一度文章にしてみる。しばらくしてから読み直し、推敲して文章を磨いていくことで、必ず誰かの心に届く、自分が本当に伝えたいエッセイができるのだと、私は考えています。そういう点で、矢野さんの作品は参考になるはずですので、彼女のエッセイを読むことで、1人でも多くの高校生が影響を受け、同コンテストに参加されることを願っています。
第13回IIBCエッセイコンテスト表彰式を開催
第13回IIBCエッセイコンテストでは、これまでと同様に「私を変えた身近な異文化体験」をテーマにした英語のエッセイを募集しました。本選への応募218作品の中から9名の受賞者を決定し、2021年11月6日(土)、ホテルニューオータニ(東京都千代田区)にて表彰式を開催。新型コロナウイルス感染症対策として、会場への出席人数に制限を設け、オンラインでの中継も実施しました。
これからもIIBCは、コンテストを通じて、未来で活躍されていく高校生を応援してまいります。
本選受賞作品、および奨励賞に参加された学校はIIBC公式サイトにてご確認いただけます。
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