2022年7月号
eスポーツを通じて英語を学ぶ「ゲーミング英会話」
プログラミングなどに欠かせない英語を楽しみながら学ぶ場を提供する
REDEE副館長の古川 速人氏
2020年度より小学校の高学年で外国語科が導入されるなど、子どもたちと英語との関わりは変化してきています。そのような中、レッドホースコーポレーション株式会社は、自社で運営するデジタル教育施設「REDEE(レディー)」(大阪府吹田市)において、ゲームを通して英語を学ぶ、ゲーミング英会話カリキュラムを21年4月から開始しました。
REDEEは、子どもたちがeスポーツやプログラミングなどを通じて、科学技術をはじめとした様々な学びを得ることを目的に、20年3月にオープン。小学校でのプログラミング教育必修化などの影響もあり、多くの子どもたちがプログラミングに関するカリキュラムなどを受講しています。
「プログラミングのコードは英語であったり、eスポーツは海外の方が盛んであったりと、これらの業界で英語は欠かせないスキルの1つです。また、ほかの業界を志すとしても、英語を身につける重要性は一層高まっています。そこで、子どもの頃から英語に親しむことができる環境を作りたいと考え、eスポーツを楽しみながら英語を学ぶ、ゲーミング英会話を始めることにしました」と話すのは、REDEE副館長の古川速人氏です。
子どもたちに人気のゲームを使い日常的にも使う表現を学ぶ
ゲーミング英会話には、取り組むゲーム(eスポーツ)が異なる、「FORTNITE英会話」と「マインクラフト英会話」という2つの講座があり、両方とも英語初心者を対象にしています(22年3月現在)。
ゲーミング英会話講師のダイヤモンド・ファイト氏
進め方も共通で、最初の15分間、ゲームの中で使う英語の単語やフレーズを学び、それらを使いながら35~40分ほどゲームをプレイ。最後にもう一度、振り返りを行います。学ぶ英語の表現は、ゲームごとに異なり、例えば「FORTNITE英会話」であれば、チーム対抗で宝箱を探すゲームをするため、「助けて」や「あっちに行って」といった、チームメイトと連携してプレイするための表現を学びます。
「ゲームで使う表現は、日常的に使用するものも多く含まれています。動作に関する英語であれば、実際にその動きをしながら教えるなど、興味を持てるよう工夫しています。一方で、英語を話すスピードは、あまり遅くしすぎないように心掛けています。せっかくネイティブスピーカーと話すチャンスですから」と語るのは、アメリカ出身でゲーミング英会話の講師を務めるダイヤモンド・ファイト氏です。
受講者は小学校の低学年から高学年までと幅広く、これまでに各講座とも150名ほどが受講。その約半数はリピーターです。中には、講座の前後で、講師に英語で話しかけてくる子どもがいたり、単語だけで表現せず、文章にして話そうと意識し始める子どももいたりと、積極的に英語でコミュニケーションを取る姿も見られるようになっています。
一方、現在の課題と今後の展望について、古川氏は「講師も子どもたちに、習った英語を使うよう促したりはするのですが、やはり取り組み方には個人差があるため、レベル分けも検討中です。中級のクラスを作って、日本語禁止タイムを設けるといった方法も考えています」と語っていました。
子どもたちの更なる成長に寄与できるよう、試行錯誤をこれからも続けていきたいと古川氏。英語の表現などを柔軟に吸収していく子どもたちと切磋琢磨(せっさたくま)するように、ゲーミング英会話は一層の進化を遂げようとしています。
ゲーミング英会話の様子
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