近年の絶え間なく変化するビジネス環境では、世界規模で直面している多くの課題を解決するための準備を、個人レベルで行っておく必要があります。最善の準備をするにはどうすればいいのか―。
TOEIC Programを開発したETSで、Global Higher Education & Workskills担当のシニアバイスプレジデントを務め、これまで25を超える国・地域で様々な職務を経験し、プロフェッショナルとしての実績をお持ちのRohit Sharma(ロヒット・シャルマ)氏にインタビューしました。
- 英語学習
- 意識改革
- 国際化
SPECIAL INTERVIEW
国際的なビジネス環境で成功するために必要なスキルを測る TOEIC® Program
加速する変化に対応するために不可欠な
リスキリングによる英語力の向上
近年のビジネス環境では、世界規模で大きな変化と変革が起きており、そのスピードは加速しています。これらに対応するには、世界だけでなく、日本においても課題に取り組む準備が不可欠で、成功するためのスキルが必要です。その1つが、世界中でビジネスの主要言語となっている英語であり、英語を習得することが、新たなチャンスを得る可能性を、広げていくと言えるのではないでしょうか。
例えば近年、世界的な貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症のパンデミックといった要因を背景に、米国企業が輸入品の調達先を、中国からメキシコに移したことを考えてみましょう。これは、生産拠点を消費地の近くに移転する「ニアショアリング」と呼ばれるもので、メキシコは米国に近く、人件費が比較的低いという影響から恩恵を受けていると言われています。さらに私は、メキシコがビジネスチャンスをつかむことができたのは、自国がそのような恩恵を受ける前に、多くの人がリスキリングを通じて英語力を高めていたからだと思っています。
現在の日本に目を向けると、観光産業は非常に有利な状況にあり、同様に大きなビジネスチャンスをつかむ可能性があると考えています。日本の豊かな文化と自然の美しさは、今後も多くの外国人観光客を魅了し続ける、素晴らしい財産です。
一方で、日本は少子高齢化に直面しています。観光産業をはじめ様々な産業における強みを活かしながら、こうした課題に対応していくために、日本は英語力の向上をより強化すべきだと思っています。それには英語力を備えた外国人労働者の雇用や、日本人の英語力向上の促進といった2つの方法が考えられます。どちらの場合も、世界160か国・14,000以上の組織で使用され、世界的に認められた評価ツールであるTOEIC Programは、英語力の評価基準として役立ち、また同僚や海外の顧客など、国境や文化をこえた職場での効果的なコミュニケーションに必要な英語力を測ります。ボーダーレス社会の影響を考えると、英語力の向上が、国内外の課題解決に貢献するために互いに関わり、共感を示し、効果的に協力できる、真のグローバル市民を育成することへとつながっていくのではないでしょうか。
人材マネジメントにも有効なTOEIC® Program
一方、人材を投資対象となる資本と捉え、企業価値の向上を図るヒューマンキャピタルマネジメントが、現在日本でも注目を集めています。この考え方は、グローバルなビジネス環境において重視されており、株主への情報開示の要求が高まっています。人的資本への投資という観点からすると、海外進出の有無にかかわらず、従業員の英語力の向上は、今後の日本企業にとって非常に重要な取り組みの1つになると思います。この点においても、TOEIC Programは従業員一人ひとりの能力向上のツールになるとともに、世界共通のスコアとして示されるため、情報開示にも有効に貢献します。
ETSはTOEIC Programなどを通じて、日本と世界の英語力の向上をサポートし続けます。さらに、私たちは、チームワークや問題解決能力など、世界中の経済発展に貢献できる、より永続的な「非認知」スキルについて見識を備えた評価に関しても今後注力してまいります。
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