活用事例
麻生セメント株式会社
TOEIC® Programの3つのテストを、社員のレベルに合わせて実施
当社では、TOEIC L&Rを軸に語学研修プログラムをおこなっています。2016年からはTOEIC L&R660点以上の社員を対象にTOEIC S&Wを実施。2018年度からはTOEIC L&R500点以下の社員向けにTOEIC Bridge Testを導入する予定です。
人事部 部長 家永 英俊氏
導入概要
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導入メリット |
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導入の背景
2001年2月14日は、当社が、セメントほか建材メーカーとして世界最大級の企業であったラファージュ社(現ラファージュホルシム社)と資本提携を発表し、社員も初めてそのことを知った日です。それまでは出張などで海外に行く機会はあっても、社内で英語が必須になるとは思ってもいなかった社員たちにとって、「上司が外国人に」という状況が現実となったことは、正に晴天の霹靂でした。
いかに仕事ができても、上司との意思疎通がはかれなければビジネスチャンスは掴めません。現在では、社内主要会議や各種ミーティング、資料作成、メール、購買・資材の共同購入業務、海外講師による技術研修、海外出張・研修などさまざまな場面で英語を使用します。また、17年11月時点で当社は、約200名の社員のうちフィリピン人が3名、韓国人が2名、オーストラリア人、フランス人、中国人が1名ずつ在籍しています。そのため、「日本人ではない社員が1人でもいたら、会話は英語で」という社内マナーも存在します。
導入の目的
言語の壁は社員のグローバル人材化を阻害する大きな要因の1つです。語学力は「熟達10年・1万時間」と言われますが、現在のビジネス環境ではそれを待っていられません。そのため当社では、「英語と仕事と」ではなく、「英語で仕事を」を実現するイマージョン学習環境の整備の一環として、2002年からTOEIC L&Rを導入しました。
2016年からは、話す・書く英語力の測定と、TOEIC L&Rスコア上位層の社員へのさらなる刺激のためTOEIC S&Wも導入しています。また、2018年度からは、TOEIC L&R500点以下で、英語に苦手意識のある社員のモチベーション向上のため、TOEIC Bridge Testを導入する予定です。
活用方法
「英語を勉強するのも仕事のうち」という考えのもと、福岡県内の本社と2つの工場で、就業時間内にネイティブスピーカーの専任講師による社内英会話クラスを開講。県外の支店では外部講師による英会話クラスの実施などに取り組んでいます。英会話クラスはTOEIC L&Rのスコアを基にレベル1から5にクラス分けをおこなっています。また、英会話クラスのほかにも「グローバルシチズン育成プログラム」や、1ヵ月間のフィリピンの語学学校への留学の実施、教材ライブラリーの設置などにも取り組んでいます。
2002年から実施しているTOEIC L&Rについては、500点を最低目標とするターゲットスコアを設定。660点をマネージャークラス、750点以上を海外研修への参加レベルの目標としています。2006年からは、到達スコアに基づく報奨金制度も設けており、現在は600点以上取得者への1万円授与から始まり、900点を超えた社員には最高額の10万円を授与しています。
TOEIC S&Wは2016年から、TOEIC L&R660点以上の社員を対象に実施。導入初年は各受験者のTOEIC L&Rの過去のベストスコアを基にSpeakingとWritingの想定スコアを算出し、そこからプラス10点を目標スコアとして設定しました。
導入した所感
TOEIC L&Rは、語学スキルを評価する「モノサシ」として納得性の高い評価方法をとっており、社員の語学レベルの客観的な把握のために今後も続けたいと考えています。また、試験準備用の学習が英語の基礎力向上につながることも期待しています。
TOEIC S&Wは、導入初年に設定した目標スコアの達成者が1名に留まったことから、目標スコアの設定について見直しを検討したいと思います。ただ、実務で英語を話す・書く機会が多い社員のスコアは比較的高くなる傾向が見られたため、発信力の測定には有効だと感じました。社員が試験方法や様式に慣れるまで、まずは2年から3年ほど継続する必要がありそうです。
社員のこれまでのTOEIC L&RとTOEIC S&Wのスコアを分析したところ、皆一様にTOEIC L&R300点台、500点台、700点台の突破が壁となっているようです。現在、TOEIC L&R660点以上の社員にはTOEIC S&Wを実施していますが、今後はTOEIC L&R300点から500点の間の社員をフォローするため、TOEIC Bridge Testを導入することにしています。
今後、ビジネスにおいては「世界で働く、世界と働く」ということが必ず必要になります。そのために、我々は各部門における日常業務の中で、英語を使う環境や機会をより多く提供することで、社員の語学力の維持や向上に加え、新しい視野や発想、ビジネススキルの獲得、グローバル化を常に意識した姿勢の醸成に努めたいと考えています。
(2017年11月取材)
(テスト名称を含め掲載情報は取材当時のものです)
TOEIC L&Rのデータ・各種資料
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