活用事例
全日空商事株式会社
【オンライン方式事例】
―ANAグループの多角化事業を担う総合商社として―
社員の英語力把握や自ら学ぶ風土の醸成に
TOEIC® Listening & Reading IPテスト(オンライン)を活用
人事部 人財開発チーム 森山 起久子氏
電話やメールなどを中心に日常的に英語を使用
当社は、航空機部品の調達、航空機の輸出入・リース・売却、および機内サービス・販売用物品の企画・調達、並びに全国空港売店の運営などの航空附帯事業のほか、紙・パルプや食品の輸入販売、半導体・電子部品の輸出入、広告代理業、インターネットショッピングサイトの運営などを行っています。
ANAグループの多角化事業の中核を担う総合商社として、多種多様な商品を取り扱い、世界市場に目を向けて様々なビジネスを展開しているため、英語力は必要不可欠なツールです。
例えば航空機部品事業部では、海外の航空機メーカーなどと電話やメールでのやり取りを毎日行っています。また、電子事業部は、主に半導体を取り扱っており、半導体生産の中心地がアジアということで中国語も使用しますが、共通言語として英語でやり取りを行っています。国際線機内販売事業部では、商品の買付けや展示会参加のための海外出張もあり、その際の商談などは英語で行われます。
当社の社員数は500名程度で部署・部門にもよりますが、ほぼ半数の社員はメールや電話など日常的に英語に触れる機会が多くあります。
企業が成長を続けるためには「人財育成」が最も重要
当社は企業が成長を続けるためには「人財育成」が最も重要だと考えています。そのため、社員には様々な研修プログラムを提供しています。例えば若手社員に対しては、海外のローカル企業で3カ月就業してもらうという海外インターンプログラムがあります。海外での業務経験を通して、変化の激しい時代に求められる柔軟な対応力が身につく、また何事にも挑戦し、成長し続けることが自信にもつながると考えています。
そのほか、グローバル化への対応として、英語力強化に向けた支援も実施しています。ANAグループ共通の自己啓発プログラムであるオンライン英会話、eラーニング、アプリを使った自主学習型WEBサービスなどを活用しています。当社では英語を問わず業務上必要な資格取得や教材購入費などをサポートするため、一人あたり年間4万円を上限として補助する自己啓発補助制度も設けています。
英語力測定をTOEIC L&R IPテスト(オンライン)に一本化
当社はANAグループの多角化事業を担う総合商社として、英語力は少なくとも身につけておかなければならないツールの一つだと考えています。
そのため、社員の英語力を測る目的として、社会的な認知度が高いTOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)を採用しました。
2019年度まで年1~2回、希望者を対象に団体特別受験制度(IP: Institutional Program、以下IPテスト)を実施していましたが、コロナ禍により、会社としても集合型の試験やセミナーなどへの参加を控えることになりました。このため2020~2021年度はTOEIC L&R 公開テストやオンラインで実施できる別の英語力判定テストを自己啓発プログラムとして社員に推奨していましたが、信頼性の高いTOEIC L&R IPテストにオンラインがあることを知り、2022年度よりTOEIC L&R IPテスト(オンライン)に一本化しました。
IPテスト(オンライン)は24時間365日受験できるように設定し、受験料はこれまでのIPテスト同様に社員一人につき年1回まで全額会社負担としています(2回目以降は個人負担)。
管理職試験の認定スコアとして扱うためにAI監視サービスを導入
TOEIC L&Rスコアは社員の英語力の把握や取得目標、管理職試験の応募要件に活用しています。当社では、総合職では入社3年目までにTOEIC L&Rスコア730点を取得目安とし、管理職への転換試験の際、一つの基準としています。また、管理職では800点が取得目安となります。一定のスコアに達したから終わりにするのではなく、達成後も2年に1回は受験を推奨しています。そのほか、前述した海外出張、インターンプログラムなどに参加するには、業務での英語使用頻度など選定基準はありますが、TOEIC L&Rスコアも参考としています。
オンラインでの受験のため、社員は在宅で受験することも可能です。在宅受験の場合でも認定スコアとして扱うため、会社と受験者の双方にとって公正・公平な受験環境を整えることはとても重要です。
その課題を解消するため、AI監視サービスを利用することにしました。AI監視サービスは不正行為の防止・抑止にもつながり、また社内での集合型のテスト実施と同じように監視がついた状態での受験環境が担保されると考えました。
IPテスト(オンライン)は会社・受験者ともにメリット
TOEIC L&R IPテスト(オンライン)については、当初の導入理由であった新型コロナウイルス感染拡大防止以外にも会社側、受験者側にそれぞれメリットがあると感じています。
マークシート方式は試験時間が約2時間に対して、オンライン方式の場合は約1時間と半分の時間で済みます。当社は業務時間内での受験を可能としているため、試験の拘束時間が短くなるメリットを感じています。また、テスト会場、資材の準備および回収・返送が不要なため、テストを運営する負担が大幅に減りました。
現在、リモートワークや時短勤務など働き方が多様化しており、場所や時間を選ばずにテスト受験ができることは社員にとってもメリットです。会社としても一人ひとりが働きやすい環境を目指していますので、今後も社員それぞれの事情に柔軟に対応しながら意欲的に英語を学べる環境を整えていければと考えています。
自ら学び、自律・自走できる人財育成を目指す
当社は社員一人ひとりが自ら学び、自律・自走できる人財の育成を目指しています。前述しましたが、総合職の社員は入社3年目までにTOEIC L&Rスコア730点を取得目安としています。総合職としていますが、総合職以外の社員にも自発的に受験してもらいたいです。また今後、730点など基準スコアを達成した人の割合がさらに高まる場合には、基準スコアの引き上げや、Speakingテストを導入することも検討したいと思います。
また、一般社員だけでなく、組織長向けに年2回研修を実施しています。人財の育成に携わる立場の組織長が自ら学ぶ姿勢や意思を持ち続ければ、その意気込みは必ず部署内のメンバーにも伝わり、部署全体の士気が上がることも期待できます。英語に限らず、社員が意欲的に自ら学べるように、会社としても学ぶ場所を提供し、個人の力を高めると同時にチームとしての力も高め、さらには会社全体の発展につながっていければと考えております。
(2022年5月取材)
(テスト名称を含め掲載情報は取材当時のものです)
TOEIC L&Rのデータ・各種資料
TOEIC S&Wのデータ・各種資料
TOEIC Bridge L&Rのデータ・各種資料
TOEIC Bridge S&Wのデータ・各種資料
「テストの種類」「実施方法」「実施時の注意事項」など、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。