リアルな英語に触れ、生徒の英語学習へのモチベーションが高まる

愛知県立岩倉総合高等学校

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ネイティブスピーカーの評価によって
授業で習った英語がリアルな場で通じることを知る
英語科教諭 野原 めぐみ氏

TOEIC Bridge® Testsを実施してみて

  • ネイティブスピーカーの評価によって、生徒の能力を多面的に知ることができた
  • 生徒がリアルな英語を知るいい機会になった
  • 英語学習に対する生徒たちのモチベーションが上がった

総合学科を設置した県内唯一の高校

本校は愛知県内で初めて、高等学校として総合学科を設置しました。英語やフランス語といった「語学コミュニケーション」や、マーケティングやビジネスなどの「国際ビジネス」、コンピュータグラフィックや陶芸といった「アート・デザイン」など、7系列の授業を用意しており、自ら興味・関心のある授業を自由に選択することが可能です。

例えば英語に関しては、必修科目の「英語コミュニケーションI・Ⅱ」と「論理・表現I」以外にも、「英語コミュニケーションⅢ」や「論理・表現Ⅱ」、「イングリッシュ・カンバセーション」や「時事英語」など、多様な選択科目を履修することができます。「将来、英語を使った仕事がしたい」などと考えている生徒にとって、英語を思う存分学べる環境が整っています。

パターンプラクティスを繰り返す

このような特性から、本校には英語を得意とする生徒がいる一方、英語に対し苦手意識を持つ生徒もいるため、必修科目の英語の授業では、どちらのタイプの生徒も興味を抱くような工夫を行う必要があります。

そのため授業では、文法の説明は最小限にして、自分で話したり、書いたりする経験を何度も重ねるといった、パターンプラクティスを繰り返すことで、英語が使えるという実感が持てるよう、アウトプットすることに重きを置いています。

例えばスピーキングに関しては、授業冒頭の帯活動で、スモールトークをペアで実施。その際、質問する側は、1つのトピックに対して3つ質問をするように心掛けます。答える側は、単に一言で答えるだけでなく、もう一言何かを付け加え、それを聞いた質問する側は、フォローアップクエスチョンをするという流れで進めていきます。このようなスモールトークを毎週繰り返し行うことで、「こう言われたらこう答えればいい」という基本的な型が身についていき、少しずつ話せるようになっていくのです。

ライティングについては、一から書かせるのではなく、サンプルを提示し、「自分だったらどうなるか」ということだけをアレンジして書く課題を出しています。また、英文の基本形であるOREO構文(Opinion→Reason→Example・Explanation→Opinion)で書くことを2年間通して繰り返し行います。反復によって型を身につけていくのです。

文法に関しては、週末に課題を出し、小テストを週1回行うことで補っています。

リアルな場で通じる英語なのかを評価したい

スピーキングとライティングに関しては、学期ごとに発話テストをしたり、プレゼンテーションやライティングエッセイの課題を出したりするなど、様々な角度から評価を行っています。

しかし、日本人の教師だけで行う評価が、果たして正しいものなのだろうか、という疑問を常々抱いていました。私たちが評価すると、同じ日本人なので、「おそらくこういう事を言いたいのだろうな」となんとなく分かってしまいます。しかし、そうした評価を無意識にしていると、逆にスピーキングやライティングの上達の妨げになってしまうのではないかと思うようになりました。

そこで外部試験を検討し、今回初めて選んだのが、TOEIC Bridge Testsです。スピーキングやライティングのテストではネイティブスピーカーの方が評価するため、リアルの場で本当に通じる英語なのかどうか、正しい評価を得ることができるのではないかと考えたからです。また英語学習に意欲のある生徒にとっては、将来TOEIC Testsの受験にもつながる可能性があり、モチベーションアップにもなると思いました。

リアルな英語に触れられ、モチベーションが高まる

今回、2年生と1年生(希望者)に対して、4技能を測定するTOEIC Bridge Testsを実施しました。

受験結果を見て感じたのは、ネイティブスピーカーが行った評価と私たちの評価に異なる点があったことです。スコアを見ると、普段私たちの評価はあまり高くないが、TOEIC BridgeTestsではスコアが高かった、という生徒がいたのです。そのような生徒は「私でもこんなにスコアが取れるんだ」と自信が持てるようになり、逆に、私たちにとっても、今後の評価の参考材料になりました。

一部の生徒からは、「楽しかった」「面白かった」「もう一度やりたい」という反応がありました。特に大学入試で英語が必要な生徒たちは、今回の受験によって英語に対する考え方が変わったのだと思います。

また、普段の授業では日本人同士で話しているため、本当にこれがリアルの場で使える英語なのだろうかという疑問は、生徒たちにもあったと思います。TOEIC Bridge Testsは、ネイティブスピーカーの方たちが評価するだけでなく、実際のコミュニケーションに即した問題が出題されるため、「これが本当にリアルな世界で使う英語なのだ」ということが分かったと思います。授業で学んだ表現が使えると実感することで、日々の学習のモチベーションも高まっていくのではないでしょうか。

今回、テストを実施してみて、TOEIC Bridge Testsは、生徒の英語力の伸長度が分かるアセスメントのツールとして、年1回程度、定期的に受験するのが効果的な活用法ではないかと考えています。

テストを受験した生徒の声

自分の苦手分野が改めて分かった

M・Hさん(2年生)、C・Hさん(2年生)、M・Wさん(2年生)

※テスト受験時は1年生

TOEIC Bridge Testsは、学校の定期テストと異なり出題範囲が決まっていないので、本当の実力が問われていると感じました。

特に難しいと感じたのはスピーキングです。言いたいことを表現する単語がぱっと思い浮かばず、発音も不安だったので、自信を持って答えることができませんでした。

リスニングは問題文の読まれるスピードが普段より速い上、1回しか流れないので、焦ってしまいました。ライティングも、すらすらとは書けませんでした。

ただ、テストを受けたことで、自分の苦手分野を改めて知ることができ、何をすればいいかが見えてきました。

まずは、文法や単語など基本的な部分ができていないことが分かったので、そこからしっかり勉強していこうと考えています。そのためには、普段の授業をこれまで以上に大事にしようと思いました。リーディングに関しても、長文をいきなり読もうとするのではなく、短い文章から地道に始めていきたいと考えています。

また、映画の字幕を見ながら英語を聞いたり、音楽の歌詞を聞き取ったり、と普段の生活でも英語に楽しみながら触れる機会をつくりたいと考えています。

将来は海外で仕事をするという夢があるので、TOEIC Bridge Testsで自分の実力を測りながら、英語学習に生かしていきたいです。

(2024年5月取材)

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