高校生が英語学習を続けていくための最適なテスト

兵庫県立神戸高塚高等学校

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英語学習に対してポジティブな変化
生涯学習の観点から見てプラスになる
英語科教諭 藤田 学氏 (右)
英語科教諭 湯浅 博之氏(左)

TOEIC Bridge® Testsを実施してみて

  • 英語学習に対する生徒のモチベーションが上がった
  • 生涯学習の観点からプラスになる
  • 生徒が自分の得意・不得意を把握できた

地域社会に貢献できる人材を育成

地域社会の発展に寄与できる人材の育成を目指している本校では、「地域創造類型」という特色類型を設置しています。同類型には、推薦入試で毎年30人ほどが入学。クラスは文系・理系の通常類型の生徒と一緒ですが、3年間を通じて週1時間の「特色探究」の授業を受け、2~3年次に、地域創造関連の授業を週2時間受講します。市役所の方たちと地域に関する研究を行ったり、祭りやゲートボールなどの地域活動に参加したりすることで、地域課題の解決力や発信力を身につけていきます。

そうした活動をする生徒が各クラスにいることで、全生徒に波及効果をもたらし、地域に貢献できる人材が一人でも多く巣立っていくことを目指しています。

「英語を使えた」という達成感を味わってもらう

グローバル化が進んだ今、地域社会に貢献する人材も英語と無縁ではいられませんが、本校では、英語に苦手意識を持っている生徒が少なくありません。そのような意識を払拭するため、「自分の力で英語を使えた」という達成感を味わうことで、生徒たちに自信を持ってもらえるような英語教育を行っています。

例えば、「英語コミュニケーション」の授業で重視しているのはリーディングです。新しい教材を次々と読むのではなく、1つの教材を毎日何回も繰り返し読むことを課しています。さらに、定着度合いを確認するために、定期試験とは別にパフォーマンステストを実施。これまで読んできた英文を穴埋め形式にして、思い出しながら音読してもらうという内容のテストです。このように繰り返すことで、フレーズを覚え、リスニングやスピーキングでも使えるようになっていくと考えています。

「論理表現」の授業では、フレーズの解説をするだけでなく、そのフレーズを使った英語の文章を作成したり、ペアワークを実施して、そのフレーズを使った英会話をしたりしています。ペアとなるパートナーを交代しながら、繰り返し同じフレーズを使って会話することで、自分の言葉として英語を使うことができた、という小さな達成感を積み重ねていくのです。

生涯学習の観点からTOEIC Bridge® Testsに注目

こうして苦手意識を払拭する一方で、4技能をまんべんなく身につけるための英語教育も行っています。例えば、4技能をトレーニングできる補助教材を使って、自分たちで学習してもらい、その自己採点の結果を基に授業でアドバイスしています。また学年により異なりますが、その他、日記形式のエッセイライティングを課題にしたり、スピーキングのパフォーマンステストを行ったりしています。

しかし、これらに対する評価だけでは、4技能の英語力を正確に測ることは難しいと感じており、客観的な評価ができるテストが欠かせません。生徒も客観的な評価があったほうが、自分の英語力を把握し、目標を立てて学びやすいはずです。

そのため本校では、年に1~2回、全生徒が外部テストを受験していますが、他のテストについても模索する中、今回着目したのがTOEIC Bridge Testsです。

着目した大きな理由の1つは、生涯学習の観点から見て、プラスになると考えたからです。私たちは生徒に対して、学生の時だけでなく、将来においても英語学習を続けてもらいたいと思っています。その中の1つの手段としてTOEIC Testsは非常に有効です。その架け橋となるTOEIC Bridge Testsに高校時代から触れておけば、TOEIC Testsを受ける動機づけになるのではないかと考えたのです。

また、TOEIC Testsは知名度が高いため、資格への興味・関心が高い保護者から見ても納得感が得られやすいと思い、今回実施することにしました。

「楽しかった」「また受けたい」という多数の生徒の声

TOEIC Bridge Testsを実施する前は、生徒からネガティブな反応があるのではないかと思っていましたが、いざ行ってみると、予想以上にポジティブな反応が返ってきました。「楽しかった」「次回もまた受けてみたい」という声が、多くの生徒から寄せられたのです。

「楽しかった」と感じた理由の1つは、設問の設定が実生活に即していたため身近に感じ、海外に行って生活しているような感覚になれたのではないかと思っています。また、細かい英語の知識が問われるのではなく、実生活で使う英語力を問う試験のため、分かりやすく難しすぎない。これも、TOEIC Bridge Testsをポジティブに捉えられた理由の1つだと思います。

また、他の英語の試験では点数があまり取れなかったのに、TOEIC Bridge Testsではある程度スコアが取れ、自信がついたという生徒もいました。従来の外部テストだけでなく、英語力を測るためには、複数の物差しを持つことの重要性を改めて実感しました。

普段の授業に臨む姿勢も変わった

TOEIC Bridge Testsを実施して得たもう1つの収穫は、自分の弱点を自覚し、その弱点を克服したいと考える生徒が多く出てきたことです。4技能それぞれのテストを受けるので、何が苦手なのかが明確になりやすく、試験後に「スピーキングの時に途中で何も言えなくなってしまった。どうすればできるようになりますか」などと相談に訪れる生徒が何人もいました。また補習があるならぜひ受けたいという生徒もおり、従来のテストではなかったことなので驚きました。

学ばなければいけないと実感できたからこそ、普段の授業に臨む姿勢も変わったのだと感じています。これまであまり英語の授業に集中していなかったが、テスト受験後に、集中して授業に臨むようになった生徒もいますので、TOEIC Bridge Testsがモチベーションアップにつながったのは間違いありません。

高校生が英語学習を続けていくために、TOEIC Bridge Testsは格好のテストだと感じています。さらにはこのテストを契機に、社会や国際情勢など、学校の外に興味を持ってもらえるような教育をすることで、英語の生涯学習、さらには生徒の成長につなげられるのではないかと考えています。

テストを受験した生徒の声

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自分の得意・不得意がはっきりと分かった

左から、T・Kさん(2年生)、A・Kさん(2年生)

※テスト受験時は1年生

他の外部試験を受けたことはありましたが、英語で問題文が流れるタイプはTOEIC Bridge Testsが初めてで、ALT(外国語指導助手)の先生よりも話すスピードが速く、知らない単語が出てきたので苦戦しました。

特に難しく感じたのはスピーキングテストです。普段の生活で英語を話す機会が少ないので、設問にふさわしい文法や単語がとっさに浮かびませんでした。

定期テストの成績は良かったので、自分は何となく英語ができると思っていたのですが、4技能のなかでも得意な部分と苦手な部分がはっきりと分かり、すごくためになりました。

自分の弱点だと感じるところを重点的に学習して、またTOEIC Bridge Testsを受けてみたいと思っています。まずは分からない単語を減らせるよう、語彙力をつけたいと思っています。以前単語帳を買って三日坊主になっていましたが、目標ができたので、今度は続けられそうです。

(2024年5月取材)

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