学ぶのに遅すぎることはない。挑戦の先に広がる新たな世界・新しい自分にワクワクしていきたい
TOEIC® Testsを初めて受験したのはいつですか?英語に興味を持ったきっかけは何ですか?
初めての受験は大学生のときです。英語科教員免許取得の条件として、TOEIC Testsのスコア基準があり受けましたが、最初のスコアは500点台くらいだったと思います。英語は中学校から学校教育で学習していましたが、特に得意科目ではなく、当時は特に海外への興味もありませんでした。
教職課程で英語を学んだ際に、話す力を伸ばしたいと思い、大学3年生のときに語学留学で渡米。それをきっかけに海外へ興味を持ち、海外旅行に目覚めます。旅行中、海外から客観的に日本を見つめたとき、日本の技術力、特にインフラ整備の技術の高さに魅力を感じます。そこで、それらの技術を海外に輸出し、人々の生活レベルを高めていきたいと考えるようになりました。
その夢を叶えるべく、大学卒業後は鉄道技術の海外輸出に取組む日系企業に就職。当時は、「英語を使って何かをしたい!」というよりは「日本の技術を海外へ輸出したい」「その橋渡しの役割を果たすためには英語を学ばなくてはならない」という意識でした。そのため、入社時点で英語は全く得意ではありませんでした。
苦手意識がある中、英語学習やTOEIC® Testsの受験を続けられた理由は何ですか?
社会人7~8年目に、海外事業に従事する素地を築くために、企業派遣でアメリカへMBA留学を決意します。この経験が、英語学習への意識を高めてくれました。それまで英語の必要性は理解していたものの、入社後英語学習を怠っていたため、むしろ、大学時代よりも低いレベルから学習をスタートしたと思います。留学先を決めるために、TOEFL®やGMAT®といった英語のテストのスコアを伸ばさなければならず、仕事の時間以外全てを英語に費やす形で必死に勉強し、留学先が決まり渡米後も、ネイティブの中で生活するには程遠い語学状況だったので、授業・課題に追われながら日々の生活が常に必死でした。そんな経験と、その中でも関係を築けたアメリカでの家族や友人との絆が、帰国後の英語学習のモチベーションにもつながったと感じます。
この渡米生活の中でひとつ想定外だったのは、2年間アメリカで生活していても、英語力が自然に伸びるということはない、ということです。例えば、ネイティブの友人は私の拙い英語を理解しようと努めてくれるので、彼らが会話の中で誤った文法を訂正してくれることはまず無いですし、授業中に凄まじいスピードの英語を理解できなくても、それについて英語の解説をしてくれる人は誰もいません。2年も住んでいれば自然と英語もできるようになるでしょう、といった想定は夢の世界でした。
そこで、「集中して英語を学ぶ」時間を作ることに。スピーキング強化のためには、地元のネイティブの先生を見つけ特訓を受けたり、オンライン英会話・単語帳学習を再開。先生からの「あなたの英語のクセはこういうところ」との指摘を受け、自己流の誤った表現を正したり、新しい表現を増やすなど、とても地味な努力を続けて、1〜2年かけて少しずつ英語力の伸びを実感することができました。
帰国後は海外事業に従事したいと意気込むも、時代はコロナ禍。会社の海外事業投資が鈍化したこともあり、キャリアに悩みます。紆余曲折を経て、今は外資系IT企業で物流事業のインフラ整備に携わっています。仕事では毎日英語に触れる状況ではなかったので、さらに英語力をアップさせるために、オンライン英会話を再開し、発音矯正も習い始めました。この頃には、ある程度の基礎ができていたので学習を楽しみながら、上達できました。今でも趣味として、楽しく英語学習を続けています。
学んでいるからには自分自身の英語力を測りたくなり、TOEIC Testsを定期的に受験するように。帰国後、特別な準備をせずにTOEIC Listening&Reading Test(以下、TOEIC L&R)を受験したところ、スコアは800点台。さらに、IIBC AWARD OF EXCELLENCE(以下、IIBC AWARD)を目標にして英語力を向上させていくことがモチベーションになり、TOEIC Speaking & Writing Tests(以下、TOEIC S&W)も受験し始めました。
英語が苦手な人におすすめの学習方法はありますか?またTOEIC® Testsの受験準備はどのように行っていましたか?
英語学習は究極的に言うと、“楽しんだもの勝ち”だと思っています。憧れの人と話をしてみたい、英語圏のあの国で生活したいなど、具体的な目標があるとモチベーションがキープできるのではないでしょうか。英語だけではありませんが、何でも「好き」「楽しい」に勝る学習方法はありません。それをきっかけに、具体的な学習方法を自分なりに作っていくのがおすすめです。
他には、荒療治に見えるかもしれませんが、英語で仕事をしなければならない状況を作ってしまうなど、強制的に“やってみる環境を作る”のもおすすめです。私の場合は後者で、英語が流暢に話せないまま、留学してアメリカに身を置いたことが、結果的に英語力を高める大きなポイントだったと思っています。
TOEIC L&Rの受験準備では、テストの3~4週間前からTOEIC L&R用の教材を使い、解答方法や時間配分などを身体に染み込ませながら集中的に勉強しています。普段は、毎日の隙間時間に、苦手な文法問題と単語の学習を決まった量継続してこなすように努めています。リスニングは好きな教材を使ってシャドーイングがおすすめです。TOEIC S&Wの受験準備として、スピーキングはオンライン英会話のTOEIC用の教材を繰り返し使用し、先生に指導してもらったりして、文法的な言い回しが適切か、どこに課題があるかを明らかにしながら学習しています。
英語力が向上してよかったと感じたことは?
アメリカ留学をきっかけに異文化に接し理解し合えたこと、多くの人と出会い関係を築けたことが、英語力向上によって得られた私の財産です。特に自分自身の中で変化が大きかったことは、アメリカ人はこういう人、日本人はこういう人といった、固定観念がなくなったことです。例えば以前の私は「アメリカ人は皆、自分の意見をハッキリ主張するのだ」と思い込んでいました。しかし実際には、人によっては遠回しな言葉を選んだり、思ったことが言えない人もいたり、「文化の違いよりも個々人の違いが大きい」ということを学びました。
その結果、現在の仕事でも、相手との関係性や価値観の違いを意識しつつ、個々人の特性をみて、会話を進めたり、言葉を選んだりするようになりました。それぞれの価値観や人柄をきちんとくみ取ることが、自分自身の考え方や物事の見方に広がりを与えてくれると実感しています。
TOEIC® Testsのスコアは転職する際に役に立ちましたか?
キャリアチェンジという観点でいうと、TOEIC Testsのスコアを英語力の共通の基準として示せることがメリットだと思います。私自身、スコアのみならず、IIBC AWARDの受賞もアピールしたことで、一定の英語力があることを理解してもらうことができ、英語の面接が免除になったり、外資系の企業では足切りを受けずに選考に進めたりしました。過去に海外での実務経験がないと、いくら「ビジネス英語を使えます」とアピールしても企業側はどの程度の英語力なのかわからないので、TOEIC Testsのスコアを提示することはとても有効だと思います。日系企業のグローバル部門や外資系企業に転職したい人には特におすすめです。
転職後も、TOEIC Testsを活用して英語を学習したことが仕事に活かされています。スピーキングでは、端的に話す訓練を繰り返し行ったので、ポイントを絞って議論を進められるようになりました。また、ライティングでも、メールでの表現方法や段落の使い方などを学ぶことができました。TOEIC Testsは、ビジネスに直結する実践的な問題が多いと感じています。
まもなく出産を迎えられるとのことですが、お子さんの英語教育に対してはどのような考えをお持ちですか?
子どもには、自らやりたい!というエネルギーが高まっているときに、好きなことをさせてあげたいです。私の場合、英語を本格的に学んだのは社会人になってからですが、自分自身の経験から「何かを学ぶのに遅すぎることはない」と思っています。強いて言えば、リスニングは、私自身が大人になってから耳を慣れさせたり、舌の筋肉の使い方を鍛えたりすることに苦労をした経験から、子どものうちから自然に触れさせてあげたいですが、本人がもし興味がなければ英語教育をしても身につかないと思います。語学力よりも、子どもには英語を通じて世界の様々な文化や価値観の違いを理解し、自身の世界や視野を広げてもらいたいと思っています。
様々なことにチャレンジをされていますが、挑戦し続ける秘訣はありますか?
私は、物事の結果に「失敗」は一つもないと思っています。私自身も、これまでに挫折したことはたくさんありましたし、今でもありますが、すべてが経験となり、自己革新につながっています。始めるときや取り組んでいる最中は気づかないのですが、後から振り返ると着実に力になっている。だからこそ、チャレンジしたいと思ったことをまず試してみたり、好きなことを継続したりすることが大事です。私の話をお読みいただいて、英語に自信のない方が英語学習やTOEIC Testsにチャレンジしてくれたら嬉しいです。
英語(TOEIC受験)は、楽しみながら続けていれば、必ず結果が出て自己肯定感を高めることができる良いツールだと思います。私の夢は変わらず、日本の技術を他国に輸出しその橋渡し役として他国のインフラを整えていくことです。自身もさらに世界が広がっていく楽しさを感じながら、これからもチャレンジを続けていきます。
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