「諦めないで!自分の市場価値を伸ばすこと。」キャリアアドバイザー森本千賀子さんが学生さんに伝えたい思い

公開日:2024年08月15日

株式会社morich代表 森本千賀子さん

キャリアアドバイザーとして3万名を超える転職希望者を支援し、就職活動支援や学生向けのキャリア講義、イベントの登壇、メディアでの記事執筆など幅広く活動されている株式会社morich代表の森本千賀子さん。今回は、そんなキャリアアドバイスのプロフェッショナルである森本さんに、これからの若手層に求められるキャリアの考え方についてお話を伺いました。

プロフィール
株式会社morich代表
森本千賀子さん

1970年生まれ。獨協大学外国語学部英語学科卒業後、1993年にリクルート人材センター(現:リクルート)に入社。転職エージェントとして2千名以上の転職を支援し、千名以上の経営者のコンサルティングに携わる。2017年3月株式会社morichを設立。25年在籍したリクルートを2017年9月に卒業し独立。
現在は人材紹介業を中心に、組織や人事に関するサポートも行うオールラウンダーエージェントとしてエグゼクティブ層の支援を行う。その他、TVや雑誌など各メディアでの執筆活動、各地で講演やセミナーなど多岐にわたって活動。

海外という新しい世界への憧れから始まった選択

このインタビューの中で沢山伝えたい思いはありますが、まずは私自身の学生時代、就職活動のことを少しお話していきたいと思います。

英語力の習得を目指して「獨協大学 外国語学部」へ進学

私は、滋賀県の生まれ育ちです。ちょっとした用事でも1時間電車に乗らないといけないような、都会と比較すると少し不便なところで生まれ育ちました。進学や就職に関しても、同期のほとんどが、最寄りの都会である京都や大阪など、関西圏の大学へ進学していく。それが当たり前とされているような環境でした。その反動もあり、小さい頃から、東京や、その先の海外へ強い憧れを抱いていました。

将来は海外で活躍出来る仕事を!と考えていたこともあり、まず必要な英語力を身につけることが大事と考え、獨協大学の外国語学部の英語学科に進学しました。大学では、英語が得意なことはほぼ当たり前で、帰国子女や高校留学を経験してきたような人たちが2/3くらい通う、まさに英語を学ぶには最適な環境だったと思います。

ロサンゼルス支店に配属されたい!

「ロサンゼルス支店に配属されたい!」

海外で働くチャンスがある企業を中心に就職活動をスタート。そして、その中の1つとしてリクルート人材センター(現:リクルート)と巡り会います。

採用面接の中では、英語で自己紹介や志望動機をプレゼンテーションする必要があり、英語力というものが当たり前のように求められました。駐在する気満々で入社をした訳ですが、バブル崩壊の背景もあり、残念ながら入社の年に憧れだったロサンゼルス支店は閉鎖。残念ながら私の憧れの海外赴任は叶いませんでした。

とはいえ、リクルートという組織と文化には非常に馴染んで、とてもやり甲斐のある、充実した25年間を過ごし、その後、今から7年前に独立。現在はプロフィールにもあるように人材紹介業を中心に事業展開を行なっています。

私自身が大学進学や就職活動を行なっていた時代と、2024年現在の今とでは、日本も世界も大きく情勢が異なってきています。次のセクションでは、近い将来どのような働き方がトレンドとなり、どのような変化が予想されるか、キャリアの観点からお話をしていきます。

これから活躍する人材になるために必要なもの

株式会社morich代表 森本千賀子さん

ここでは近い将来の日本の状況をイメージしてもらい、これから就職活動をされる学生さん、キャリアについて考え始めた学生さんたちが具体的にどのような経験やスキル・能力を身につけて行く必要があるのか、一緒に考えていきたいと思います。

多国籍な職場が当たり前になる未来はすぐそこに来ている

少子高齢化に伴う労働人口の減少により、2030年には644万人の労働人口が不足状態に陥ると見込まれています。国内で労働力を確保できなくなった日本は、海外から労働力を受け入れ、日本国内の労働環境もよりカルチャーミックスな環境へと変化を遂げていくことになるでしょう。

  • 海外で働く
  • 外資系企業で働く
  • 海外赴任する

今までは、上記のような働き方を選択してきた人たちだけが、自ら選んで外国語を習得してきましたが、国内企業であっても多種多様な人材が混ざり合う環境の中で仕事をしていく、英語でのコミュニケーションや異文化への理解が日常的に求められる、そんな未来がもうそこまで来ているということなのです。

英語力というものは一朝一夕で身につくものではありませんし、就職後、仕事をしながら勉強をするということは時間的にも体力的にも大変な場合が多いでしょう。そういった点では、大学在学期間中、特に就職活動などが本格的になる前の期間である1・2年生のタイミングから計画的に英語の勉強を進めることをお勧めします。TOEIC L&Rを定期的に受けておくなど、学生期間を有効に活用すると良いかと思います。

これから活躍していく人材とは?

前のセクションでお話したような環境の変化の中で、活躍する人材とはどのような人たちなのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

私がこれまでお会いしてきた方々で、素敵なキャリアを築いていらっしゃる方々に共通する要素を2つ紹介したいと思います。素敵なキャリアというと漠然としますが、規模やインパクトの大きな仕事を任され、成長している、そんな方々です。

  • 複数のポータブルスキルを持っている
  • 非連続キャリアを積んでいる

まず、ポータブルスキルについては 「英語を活かしたキャリア作りの成功方程式」とはの中で詳細をお話していますが、いわゆる場所や条件を選ばずに使うことができるスキル・能力全般のことです。例えば、「語学力」「コミュニケーション力」もそうですし、環境に適応する「柔軟性」、問題が起きたときに解決に向けて物事を進めることができる「課題解決力」などが含まれます。

そして、非連続キャリアについてですが、この言葉は元々、転職やキャリア形成について話す際に出てくるワードです。要するに、同じことを繰り返しながら同じ場所でコンフォートゾーンに止まり、快適に仕事し続けるのではなく、そのコンフォートゾーンからでて、挑戦し続けていく中で、成長をしていくということです。この「非連続キャリア」は、成功している方々が共通して持ち合わせているバックグラウンドです。

学生さんであれば、非連続な体験として、旅行やボランティア、インターンなど、自分と異質な考え方の人たちと関わることや、自分にとって新しい環境に身を置くこと。そういった経験を意識して積んでいくことが大切です。

海外にいくことやボランティアに参加することが難しい場合もあるかと思います。そんな時でも、例えば、本を読むこと、プレゼンテーションの練習をすること、英語を学習することなどであれば、誰でも取り組むことが出来るのではないでしょうか?ご自身の手の届くポータブルスキルの磨き方を考え、是非学生期間中に1つでも多くのスキルを身につけていって欲しいと思います。

point

学生・就活生のみなさんへおすすめのTOEICの活用方法

STEP1:まずはTOEIC L&Rで600点を取得することを目指して学習を進めましょう。英語力を身に付けるのは時間がかかるもの。早めに取り組むことをお勧めします。

STEP2:「グローバルに仕事がしたい」方や「英語でコミュニケーションをとりたい」方はTOEIC S&Wにもチャレンジ。英語で話したり書いたりする力も同時に向上させるのがおすすめです。1つの指標として、TOEIC Speaking Testで110点、TOEIC Writing Testで120点を目指してみるとよいでしょう。

変化に適応する者が生き残る、そんな時代

前項でご紹介したポータブルスキルの中でも、私が重要視しているのが「柔軟性」「適応力」です。

イギリスの自然科学者であるチャールズ・ダーウィンの有名な言葉に「最も強い者が生き残るのではない、最も賢い者が残るのでもない、唯一生き残るのは変化できる者である」というものがあります。これからはまさにその時代といえます。昔は1つの専門性を極めていれば生涯困ることも少ないという時代もありましたが、今は世の中の仕組み自体がものすごいスピードで変化を遂げており、その速い変化に適応した者が生き残るという生き残り戦です。

また、元オラクル幹部で、「ルーキー・スマート」の著者であるリズ・ワイズマンは「常に知識を更新し続けない限り、5年先に使える知識は15%しか残っていない恐れがあります」と発言をしています。

過去や成功体験に縛られる人材ではなく、未来を見ながら、新しい価値を生み出していける。変化に対して抵抗がなく、適応していくことが出来る人材が活躍する、そんな時代だということです。

私が今までにお会いしてきた、活躍しているハイキャリアの方々は、共通してこの柔軟性・適応力を兼ね備えていました。これらの柔軟性・適応力というのは、一朝一夕で身につくものではなく、過去に変化を体感してきている場数そのものです。 特に若い頃の経験は非常に重要で、例えば海外赴任や、留学経験、グローバルビジネスの経験などの海外接点などです。 頭が柔らかい、価値観が凝り固まらない、まだ成功体験が積み切れてないような時に、こんな考え方もあるのかとか、こんな戦い方もあるのかということを体感しておくことが、実はすごく大事です。 そういった経験を積むことで、慣れ親しんだ環境を変えることに対しての躊躇が消え、変化に対応することをものすごく前向きに捉えられるようになるんだと思います。

是非、学生のみなさんは学生のうちに。またこれからの活躍を目指すのであれば20代などの若いうちに、1つでも多くの変化の場数を踏んでください。そういう選択を率先して選んで欲しいと思います。

最近の学生さんトレンド

コロナ禍の影響も大いにあると思いますが、日本だけでなく全世界が、鎖国状態になってしまったことから、全体として少し思考が内向きになっていると感じます。また、採用をされている企業様からも少し危機感を感じるという声もちらほら耳にします。

色々なことが就職活動での武器としてカウントされるようになり、英語などの点数も「海外で働きたいから」というよりは「就活を有利にするため」の道具としてカウントされている傾向が強くなっているように感じます。

こういったトレンドは一部仕方がないところもあるのですが、私個人としては、学生さん達には、もっと自分の市場価値を高めるために貪欲になってほしいな!と思います

転勤がない方がいい
海外赴任がない方がいい

そんな声を聞くこともあります。もちろん色々な判断背景や価値観がある中なので、一概に否定をする訳ではありませんが、市場価値を上げていくまたとないチャンスなのでもったいないなと思います

まだ見えていない自分の可能性を見つけること

人間は、どうしても過去にあった体験や、今何が出来るか、それらを元に、その延長上にある未来を描きます。

  • ○○ができないから、これは出来ない
  • こういう点数がないから、ここで活躍できない
  • 一度やってみてダメだったから、向いていない

その逆も然りで、成功体験に縛られてしまうというケースも多く見受けられます。
また、目の前に並べられた選択肢以外を知らないまま、知っている範囲の中から選んでしまう、そういうケースがほとんどかなと思います。

私が強く伝えたい1つめのメッセージは、あなたの可能性は自分が思っているよりももっと広がっているんですよ!ということです。就職活動や、自分のキャリア形成を目指す際、どうか自分の見えている範囲に閉じてしまわないようにしてください。

自分自身の正確な把握、いわゆるメタ認知は非常に難しいもので、自分自身を客観的に見つめるということは難易度がとても高いことです。自己分析もそうですが、自分のいる環境から一歩出てみたり、話を聞く層を意図的に変えたり、広げていただくように意識することも大切ですし、時には私たちのようなアドバイザーを鏡のように使ってその可能性を見つけていくこともひとつだと思います。

必ずその方が輝ける場所があると思っていますし、それを一緒に見つけに行くことが私のミッションかなと思っています

自分の市場価値を伸ばすこと。諦めないで!あなたに送るメッセージ

最後になりましたが、私が本当に声を大にして今の学生さんたちに伝えたいことは、今のコンフォートゾーンから抜け出して場数を踏んでいかないと、あなたたちの市場価値は「上がらない」ではなく「下がっていきますよ」ということです!

ある意味、昔よりも過酷な状況の中で頑張らなければならない学生のみなさんや若手の皆さんは過酷な面もあると思います。しかし、今の日本に産まれた以上、否応なく向き合っていかなくてはならない課題だと思うのです。

まとめ

学生期間や、若手時代に出来ること、すべきことは無数にありますが、まずは下記の4つを意識していくことが大切だと思います。

  • 複数のポータブルスキルを身につける
  • 非連続な場数を踏む
  • 環境に適応する柔軟性を身につける
  • まだ知らない自分の可能性を広げた選択をする

ポータブルスキルの1つとして語学や英語でのコミュニケーション能力を伸ばすこともおすすめです。英語であれば、定期的にTOEIC Testsを活用して英語力を可視化しておきましょう。

TOEIC Testsはビジネスシーンでの実践力やコミュニケーションスキルを測るためのテストですので、現場での活きた英語力を磨くという点でも非常に有効なものだと言われています。160か国、約14,000団体で採用されているTOEIC L&Rは、応募条件や昇進条件の1つとして、多くの企業でスコアが要件にされています。

  • より多くの企業に自身の英語力をアピールするため
  • 実際のビジネスシーンでの活きたい英語力を身につけるため

海外での仕事だけでなく、これからは日本国内でもグローバルな目線と英語力が求められてくる時代がやってきます。その点では、英語力やコミュニケーションスキルは、まず身につけておくと良いポータブルスキルと言えます。

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