英語を学ぶ“仲間”の存在が、日々の英語学習の支えになった
〜歌手 有安杏果さん

英語でジャズを歌いたい！　基礎から学び直し、英語学習を毎日のルーティンに

有安さんは英語学習をゼロから始めたそうですね。

これまでの音楽活動ではポップスを中心に歌ってきたのですが、英語学習のきっかけは、本格的なジャズに挑戦したいと思ったことでした。日本語ではなく英語で、曲の世界観や歌詞の意味をきちんと理解した上でジャズを歌いたい気持ちが強かったんです。そのために、オンライン英会話を日課にすることにしました。

当初の英語力はどのくらいでしたか？

中学校の教科書レベルだったと思います。学生時代も英語は好きでしたが、アイドル活動をしていたので学校の定期試験だけしか手が回っていませんでした。あの頃もっと勉強しておけばスムーズにスタートできたのに、とよく反省しています。オンライン英会話も最初はすごく緊張して、先生が天気の話をしているのに、「temperature」（気温）が「temple」（寺）に聞こえて、京都の話をしてしまったことがありました（笑）。そのような恥ずかしい思いから、会話をすればするほど自分に単語力が足りていないことを痛感して、英単語学習を始めました。

そこから毎日欠かさず、英語学習を続けているそうですね！

日記や筋トレ、ランニング、 ヨガ、ギターやピアノなどの楽器練習もそうですが、私はもともと毎日コツコツ続けることが性に合うタイプなんです。英語学習も始めてみると、日々の積み重ねの大切さを実感しました。最初は習慣になるまで少し時間がかかりましたが、続けていくうちに徐々にそれが当たり前になって、今では一日でも取り組まない日があるとソワソワしてしまうほど、自分の中でルーティンが確立しています。

努力や成果を“見える化”することでモチベーションアップ

TOEIC Listening & Reading Test（以下、TOEIC L&R）を受験したきっかけを教えてください。

毎日のオンライン英会話と単語学習を続けることで、会話をすることへの苦手意識はほとんどなくなりました。ただ、単語をつなぎ合わせることに精一杯で、正しい文法や文章で話すことは難しくて、文法の勉強ももう一度ゼロから学び直す必要があることに気づきました。周りにも「英語を学んでいます！」と胸を張って言いたいし、目標があった方が頑張れるだろうと思い、TOEIC L&Rを受験することに決めました。

初受験では540点、1年後には795点になり、2年後には875点をマークしました。日々の成果が現れていますね！

2年間で10回以上は受験していて、3カ月連続で受験した時期もありました。ライブツアーなどでしばらく受験できない期間もありましたが、TOEIC L&Rは毎月試験があるので、比較的自分のスケジュールに合わせて受験しやすいのが魅力です。また、結果が合格・不合格ではなく、点数で分かるのもいいですね。目標点を超える時もあと一歩届かない時もあるけれど、試験を受けることで自分が今どのくらいのレベルなのか把握できるので、モチベーションが上がります。結果発表の時はいつもドキドキしていて、見るのが楽しみでもあり怖い気持ちもあります。

モチベーションを維持するためのコツはありますか？

私が実践していることは5つあります。まずはTOEIC Testsなどの試験に申し込むこと。日程が決まって、受験料も支払うので、簡単には諦められなくなります（笑）。2つ目は、具体的な目標スコアを紙に書き、目につきやすい場所に貼ること。3つ目は、私が英語学習をここまで継続できた一番の理由でもありますが、SNSの“勉強アカウント”をのぞくことです。自分と同じように毎日英語を勉強している人がたくさんいるから、自然と仲間意識が芽生えてやる気が湧いてきます。同じ参考書や問題集を開いて、同じ試験に向かって取り組んでいる人たちの存在が支えになり、どんなに疲れている時でも「私も頑張ろう！」と思って勉強できました。4つ目は、かわいいシールなどを使って学習記録をつけたり、SNSで毎日報告したりすることです。そして5つ目は、自分のためにご褒美を用意すること！　私の場合は、試験に申し込むたびにかわいい文具を1つ買って、受験が終わると新しい参考書を1冊買うと決めています。自分に合った方法で努力や成果を“見える化”することが大事だと思います。

有安さんが実際に使用されている教材

忙しい日々の中で、どのように学習時間を確保していますか？

私はTOEIC L&R受験をきっかけに朝活を始めました。もともと早起きは苦手で、習慣化させるまでは毎日大変でしたし、今でも眠い目を擦りながら勉強する日もあります（笑）。でも、頑張って早起きして勉強することで、その後の仕事も思い切って打ち込むことができて、一日がより充実するようになりました。なので、ライブ当日の朝や忙しくて時間が取れない時も「5分だけ」「単語だけ」とポイントを絞ったり、英語学習アプリを使って隙間時間に勉強したりしています。

日頃の成果を試験で発揮するために、心がけていることはありますか？

試験会場に行くと毎回緊張しますが、それは皆さんも同じだと思います。この会場にいるのは“ライバル”ではなくて、今から2時間200問を一緒に解く“仲間”なんだと思うと、気持ちが少しほぐれるのでおすすめです。

聞く・読む・話す・書く。4つの力全てが表現につながっている

これまでのアーティスト活動で、英語を学んで良かったと感じたエピソードがあれば教えてください。

国内3都市のBillboard Liveで、ジャズライブを開催できたことです。バンドのドラマーはニューヨーク在住のネイティブスピーカーだったのですが、メールでの打ち合わせからリハーサルまで、コミュニケーションを全て英語で取れた経験は大きな自信になりました。また、少し苦手意識のあったライブのMCも、オンライン英会話で毎日初対面のネイティブスピーカーと会話を続けていたおかげで、いつもよりリラックスした気持ちで話せました。

英語を学ぶことで、表現の幅が広がったと感じますか？

最近、英語での作詞にも挑戦しているのですが、TOEIC L&Rの試験準備でパラフレーズ（言い換え）の勉強をした経験が生かされているんです。以前よりも言葉選びにこだわって書けるようになり、ジャズライブでも英語の歌詞でオリジナルソングを披露することができました！　歌詞はメタファー（比喩）の世界なので、英語の歌詞を一度読んだり聴いたりしても、意味やニュアンスを完全には理解しきれないなどの課題もまだまだありますが、英語で聞く・読む・話す・書くという4つの力全てが自分の表現につながっていると感じます。

ジャズライブでオリジナルソングを披露する有安さん

日常生活において、英語を学んでいて良かったと感じる場面はありますか？

英語学習では社会情勢について自分の意見を述べる設問も多いので、世界各国の経済や環境問題などにも自然と関心が向きます。以前よりも積極的にニュースを見るようになり、幅広いジャンルの本を読むようになりました。英語を学ぶことで世界がより一層広がって、自分自身が成長していることを感じていますし、それが自信にもつながっています。

夢はニューヨークでのライブ。もっと英語での表現力を磨いていきたい

今後の目標を教えてください。

私の音楽活動には、バンド、弾き語り、ジャズの3つの柱があり、どれか1つに絞って活動するのではなく、1つひとつ、それぞれのスタイルで続けていきたい気持ちがあります。その中でも、ジャズではいつか本場であるニューヨークでライブができたらいいなと思っているので、ネイティブの方が聴いても楽しんでもらえるように、英語での表現力をもっと磨きたいです。また、英語学習を始めてから一度も海外に行っていないので、海外で自分の英語力を試してみたり、ネイティブの表現や文化にたっぷり触れたりして刺激を受けたいです。英語でのアウトプットは即興力が試されると思うので、自分にどれだけ英語が身についているのかを知るいい機会になりそうです。

TOEIC Tests受験者の皆さんや英語を勉強している方々へメッセージをお願いします。

英語学習は将来の自分の可能性を広げ、自分自身に自信をつけることができると思います。英語を学ぶ目的やTOEIC Testsの目標スコアは人それぞれ違いますが、夢をかなえるためには日々の積み重ねが大切です。SNSやTOEIC Testsの受験会場で、私と同じように、いや、それ以上に一生懸命努力している人たちがたくさんいることを知ってパワーをもらい、私自身もここまで頑張ることができました。皆さんのことを勝手に仲間だと思っていますし、心から応援しています。これからも一緒に頑張りましょう！