TOEIC Bridge^® Testsの勉強法は？　受験準備と受験者のリアルな感想を紹介

公開日：2024年10月07日

「自分の英語力がどのくらいなのか測りたいけれど、TOEIC Testsを受けるのは少しハードルが高い」と思ったことはありませんか？

そのような方には、初級〜中級レベルの英語学習者向けテストのTOEIC Bridge Testsがおすすめです。TOEIC Bridge Testsでは、身近な場面で使う英語力を測ることができます。

この記事では、TOEIC Bridge Testsの勉強法と受験者のリアルな感想を紹介し、具体的な学習法やおすすめの教材などを詳しく解説していきます。

記事の中では、東京学芸大学の教授であり、NHK Eテレで「もっと伝わる！ 即レス英会話」などの講師も務められていた高山芳樹先生（以下、高山先生）から大変役立つアドバイスもいただいています。大人だからこそできる学び方で、英語を自分のものにしていきましょう。

プロフィール
高山 芳樹（たかやま よしき）先生

東京学芸大学教授。（株）イーオン勤務後、学習院高等科教諭、立教大学専任講師などを経て現職。専門は英語教育学。研究テーマは「通じる英語」を目指す発音指導の効果。NHK Eテレでは「もっと伝わる！即レス英語」などで講師を担当。『最強の英語発音ジム』（アルク）など著書多数。無料のAI学習アプリ『マグナとふしぎの少女』に登場する生成AIを活用したキャラクター「AIレイちゃん」との英会話の効果を探る産学共同研究プロジェクトにも取り組んでいる。

TOEIC Bridge^® Testsの種類

TOEIC Bridge Testsは、身近な場面を題材に基礎的な英語力を測定することを目的とする、初級〜中級レベルの英語学習者に適した試験です。以下のテスト名の通り、英語の4技能のうち、リスニングとリーディングを測るテスト、スピーキングとライティングを測るテストの2種類があります。どちらか一方のみを受験することも可能です。

TOEIC Bridge L&RおよびTOEIC Bridge S&Wは年6回実施されています（2024年9月時点）。

ここからは、TOEIC Bridge L&R、TOEIC Bridge S&Wの勉強方法や準備のコツを解説していきます。

本記事で述べる内容以外にも、以下でTOEIC Bridge Testsの勉強方法について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

• はじめよう！Tests For Learning（TOEIC Bridge L&R）
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• 挑戦しよう！Tests For Learning（TOEIC Bridge S&W）
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公式問題集とサンプル問題で試験に慣れる

TOEIC Bridge Testsを受験する前に、公式問題集やサンプル問題を活用して、試験形式に慣れておくことをおすすめします。

まずサンプル問題を解いてみたい場合は、公式サイトに掲載されている以下の問題をご覧ください。

TOEIC Bridge S&Wのスピーキングテストとライティングテストについては、問題と解答以外に解説も掲載されています。

• TOEIC Bridge Tests サンプル問題
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中学校レベルの単語を復習する

TOEIC Bridge Testsの勉強法として、まずは中学レベルの基礎単語を復習して、しっかりと身につけてください。

中学校で学ぶ英単語は、TOEIC Bridge Testsの問題はもちろん、日常会話や初中級レベルのリスニングやリーディングで頻繁に使用されます。

スピーキングとライティングでは基本単語のアウトプット力が問われるため、表面的な意味を覚えるだけではなく、例文を読み上げたり書いたりする練習も大切です。

中学レベルの英単語をしっかりとマスターすることで、より複雑な表現や文法を理解しやすくなり、全体的な英語力アップにもつながっていくでしょう。

TOEIC Bridge L&R リスニングの勉強方法

リスニングの勉強をはじめる前に確認ですが、以前TOEIC Bridge L&Rを受験したことがあり、リスニングパートとリーディングパートのどちらもスコアが低かった場合、あるいはリーディング力が極端に弱いと感じている場合は、この項目を飛ばして、まずはリーディングの勉強からはじめてください。

リスニング力を伸ばすには、基本的な単語力や文法力が欠かせないため、まずはリーディングの学習が必要だからです。

さて、リスニングの学習方法ですが、単語や例文は必ず正しい発音を確認し、自分でも発話するようにしてください。ネイティブスピーカーが正しい発音について、口の形や舌の位置を説明しているYouTube動画などを利用するのもよいでしょう。

リスニングの素材としては、公式教材を利用し、TOEIC Bridge L&Rのサンプル問題などに使用されている音声を活用することをおすすめします。

Part 2などの短い英文を、音声を聞いてから読み上げるリピーティング練習をしてみてください。スクリプトを見ながらでも構いません。この際、選択肢も一緒に読み上げましょう。

リピーティングができるようになったら、次は英語の音声と同時に発音するオーバーラッピングを行います。そして、最後にシャドーイング練習をして仕上げましょう。

シャドーイングは音声を忠実に再現し、少し遅れてついていく練習方法ですが、まとまった長さの英文を使うようにしてください。問題音声では、Part 4の音源を使うことをおすすめします。最初はスクリプトを見て、慣れてきたら見ずにシャドーイングしていきましょう。

この練習を繰り返すことで、音の連結や脱落の規則性がわかるようになり、リスニング力がアップしていきます。まとめて練習するのではなく、時間は短くてもよいので毎日練習するように心がけてください。

TOEIC Bridge L&R リーディングの勉強方法

リーディングの勉強方法ですが、まずは中学校レベルの単語や英文法を身につけることが重要です。基本をしっかり身につけることで、リーディングのスコアアップにつながるのはもちろん、スピーキング力やライティング力、リスニング力の向上につながります。

具体的には、単語を覚える際には必ず正しい発音も合わせて覚えるようにしてください。そして、単語だけではなく、できるだけ例文で覚えるようにしましょう。そうすることで、どのようにその単語が文章の中で使われるのかがわかり、リーディング力アップにつながります。

英文法が苦手だと感じる場合は、中学校レベルの英文法を扱ったワーク集などを用意し、掲載されている問題を解いていきましょう。解説を参照しながら、もし知らない単語があれば覚えていきます。

そして、英文法のワーク問題を解く際にも、英文を音読するのを忘れないようにしてください。慣れてきたら、和訳を見て瞬時に英訳するトレーニングをするのも効果的です。すぐに英訳できれば、文法力がついているという証拠ですし、スピーキング力アップにもつながります。

中学校レベルの単語と英文法が身についたら、次はリーディングスピードを上げる練習を行います。TOEIC Bridge Testsの公式教材を利用するのであれば、リスニングのPart 4の文章や、リーディングのPart 3の文章を使うとよいでしょう。

練習する際には、まずは英文を黙読し、内容を理解します。わからないところは、和訳や解説を読んで構いません。CDなど音声素材があれば、音源を聞きましょう。そして、内容を思い浮かべながら音読します。

この練習を繰り返すことで、リーディングスピードが上がり、語彙や文法が定着していくでしょう。

単語、文法、リーディング、すべてに共通して言えることとして、何回も繰り返すことが大切です。一度にまとめてやるのではなく、短時間でもよいので繰り返し練習していくようにしてください。

TOEIC Bridge S&W スピーキングの勉強方法

スピーキングの勉強方法ですが、短時間でも構いませんので、毎日話す機会を作って練習しましょう。

具体的には、英語でひとりごとを言ってみる、オンライン英会話を活用するなどです。スマホアプリなどでAI講師と会話の練習ができるものもあるため、一番やりやすい方法で実践してみてください。

その際に大切なことは、新しく覚えた表現があれば必ずメモしておいて、次回練習する際に使ってみるということです。実際に英語を口に出さないと、スピーキングは上達しません。学んだものを口に出すように心がけていきましょう。

TOEIC Bridge Testsの公式教材を使って練習する場合は、写真描写問題がおすすめです。たとえば、写真に写っている男性の服装について描写する問題であれば、解答例を参考に何度も音読して練習してください。

そして、解答例の表現を覚えたら、今度は男性が身につけているもので、解答例には載っていないものについて、自分で解答を作成してみましょう。メガネや髪型について表現してもいいですし、男性がしている行動について表現してもOKです。

自力で作成した解答が合っているかどうか、身近に直接尋ねられる人がいない場合は、オンライン英会話やアプリのAI講師、ChatGPTなどで質問し、確認するようにしてください。

ライティングの勉強方法では、単語集や英文法の参考書の例文を、読むだけではなく、実際に手を動かして書いてみることをおすすめします。

その際に、ただ書き写すのではなく、文法の構造を考えながら写すことがポイントです。そして、主語や動詞を入れ替えて、ぜひ他の英文を書く練習もしてみてください。

たとえば、英文法ワークとして“He lives in Hokkaido.”（彼は北海道に住んでいます）という例文があったとします。

そしたら、この英文を書き写すだけではなく、“Mr. Suzuki lives in Tokyo.”（スズキさんは東京に住んでいます）と、主語を変えて書いてみる。あるいは、“He plays soccer.”（彼はサッカーをプレーします）と、動詞と目的語を変えて書いてみるのもよいでしょう。

もう少し英文を長くして、“He plays soccer with his friends every Saturday.”（彼は毎週土曜日に友達とサッカーをプレーします）と書くと、表現の幅が広がります。

このように、基本的な英文を写して覚えたら、他の英文に変えて書いてみる練習を続けることで、ライティング力がアップしていきます。

上記で解説したスキル別の勉強方法を実践して、「準備してから受験をしよう」と考えている方が多いかもしれませんが、準備せずにTOEIC Bridge Testsを受験したとしても、以下のような収穫が得られます。

ここからは、TOEIC Bridge S&Wの受験者を対象として実施した、受験の手応えとテスト結果への感想についてのアンケート結果をご紹介していきます。

受験の手応え

• 「写真を説明する問題で語彙力のなさを痛感しました。文法的にもぐちゃぐちゃになってしまい難しかったです」（40代）
• 「リスニングが長かったので集中力が欠けてしまい、解答できない問題がありとても悔しかったです」（40代）
• 「見たものをすぐに英語に変える力が不足していると思いました」（60代）
• 「暗記ではなく、瞬発力で答えられるように声を出して練習したので、試験ではためらわずに声を出せました」（50代）

アンケート結果からは、上記のように実力が発揮できたという声よりも、弱点や課題を発見してショックを受けた声が多く見られました。

テスト結果への感想

• 「ライティングが苦手だと思っていましたが、予想よりできていました。苦手意識を持たずに勉強を継続していきたいです」（40代）
• 「想像よりできていたので驚きました。次回はよりよい結果が得られるように学習していきたいです」（40代）
• 「ライティングのスコアが予想以上に高くて驚きました。スピーキングの評価をしっかり受け止め、壁を越えていきたいです」（50代）

アンケート結果からは、想像よりもスコアがよかったという声や、今後の学習につなげていきたいという声が見られました。

TOEIC Bridge Testsの効果的な学習として、公式教材を利用するのがおすすめです。

現在、下記の3冊の公式教材が販売されています。

• TOEIC Bridge 公式ガイドブック
• TOEIC Bridge Listening & Reading 公式ワークブック 1
• TOEIC Bridge Listening & Reading 公式ワークブック 2

どちらも音声ダウンロード可能です。TOEIC Programを開発しているETSが制作している公式教材なので、初めての受験前には特に向いています。

TOEIC Bridge Tests全体について把握したい場合は、『TOEIC Bridge 公式ガイドブック』を、TOEIC Bridge L&Rに向けた準備をしたい場合は、『TOEIC Bridge Listening & Reading 公式ワークブック 1・2』を活用してみてはいかがでしょうか。

TOEIC Bridge Testsは大人の英語の学び直しにおすすめの試験です。

TOEIC Bridge L&R、TOEIC Bridge S&Wとも試験時間が1時間程度と短めで、出題されるトピックも日常生活に密着したものが多いという特長があります。

試験に向けて勉強が進んでいなくても心配はいりません。TOEIC Bridge Testsを受験し、できているところを認識したうえで弱点を把握し、今後の学習に活かしていきましょう。

なお、TOEIC Bridge Testsの試験日程や申し込み方法は、下記をご覧ください。