TOEIC® Listening & Reading 公式ボキャブラリーブックを
活用した効果的な学習法
【実践編】学習法動画
英語講師、一般財団法人 実用英語推進機構代表理事の安河内哲也先生。
受験準備はもちろん、日常生活やビジネスシーンで使える英語を身につけるためにどのようにTOEIC Listening & Reading 公式ボキャブラリーブックを使って学習すると効果的なのか、お話をお伺いしました。
効果的な学習法
あなたの持っている単語集はどのタイプ?
単語集にもいろいろなタイプがあります。どのように学ぶべきかを知るためには、単語集のタイプをしっかり理解しましょう。
TOEIC Listening & Reading(以下 TOEIC L&R)の単語集のタイプ
- TOEIC L&Rに出てくる可能性のある単語をくまなく網羅し、チェックするもの
- TOEIC L&Rでの高得点域を達成するために難単語を集中的に学ぶもの
- TOEIC L&Rで高い頻度で出現する、日常的なシーンやビジネスでよく使う単語を使える形で学ぶもの
本書の位置づけは(3)となります。TOEIC L&Rで使われる文は、基礎レベルから上位レベルまで様々です。しかし、英単語を出現頻度の点でランキングすると、基礎的かつ、日常生活やビジネスで必須のものに絞られてきます。そして、それらの単語の特徴は、日々のコミュニケーションやTOEIC Speaking & Writing(以下 TOEIC S&W)で、発信語彙としても使用できるものばかりだということです。
一方、(1)(2)の種類の単語集では、その性質上、読んだり聞いたりする時に知っておけばよい、受信語彙が多くなります。なので、本書のような(3)のタイプの単語集を勉強する時には、発信することを意識した、4技能をうまく合わせた学習をおすすめしたいと思います。
本書はTOEIC L&Rに準拠したものなので、受験者にとって必携の単語集ですが、これを使うのなら、TOEIC L&Rだけでなく、TOEIC S&Wもいっぺんに勉強しなければもったいないと思います。
英単語は単体で覚えるだけでは不十分!
まずは、TOEIC L&Rのために本書を使う場合の学習法です。
本書に限らず、TOEIC Testsのために、どんな本で学習するにしろ、大切なのは、英文を耳で聞いて学んだり、音読をしたりする習慣を身につけることです。そして、英単語は例文とともに習得することが重要です。
本書はテストを開発しているETSが制作した「公式」の単語集なので、テストに実際に出た単語をコミュニケーションで使える実践的な例文とともに学習することが可能です。
ダウンロードしたデータは、パソコン等でプレイリストを作り格納しましょう。プレイリストで音声データを整理することは、英語学習において大変重要です。音の整理名人になることは、英語名人への近道です。
本書では、英単語はアメリカ英語、イギリス英語の両方で収録してあります。多くの人はアメリカ英語で英語を学んでいると思いますので、アメリカ英語の音を聞き、まねて発音しましょう。イギリス英語も聞いたときにわかるようによく聞いて耳におぼえさせましょう。
単語を単体でおぼえただけでは、リスニングやリーディングのためには、まだ不十分です。試験でも実生活でも文の中でわからなければなりません。だから、例文の音声を聞いたり、まねたりして学ぶことが必須です。本書の例文の音を聞き、その音をまねて音読しましょう。そして、例文の中でスラリと単語が理解できるようになれば、TOEIC L&Rに向けての勉強は完了です。
単語単位ではなくチャンク単位でアウトプットする
さて、次に TOEIC S&Wのために本書を活用する学習法です。
音読して理解するだけでは、TOEIC L&Rにしか対応できません。TOEIC S&Wで役立てるためには少々音読に工夫が必要です。まず、スピーキングで役立てるための学習法は暗唱です。ネイティブの音で練習し、発音をある程度マスターした後は、本書を片手にまず例文を音読しながらおぼえます。そして次に本から目をそらし、その英文を宙に向かって唱えます。一文まるごとおぼえるのが難しければ、チャンク(意味のカタマリ)ごとでもかまいません。
その時のコツは例文の内容を誰かに伝えようとしながら読むことです。片手でジェスチャーをするのもよいでしょう。そうやって気持ちと一緒に例文を暗唱しておくと、実際にその例文を使う場面が来たときや、TOEIC S&Wでも、口からポンと出てくるようになります。
次に、ライティングで役立てるための学習法が音読筆写です。キーボード時代に時代遅れの勉強法だと思うかもしれませんが、紙とボールペンや鉛筆を使った単純な方法です。まずは例文を音読しておぼえます。そして次に本から目をそらし、紙に英文を書きます。
大切なのは、単語単位ではなく、チャンク単位や節単位を意識して書くことです。単語単位だと、単なる書き写しになってしまいます。
さらに例文を効果的に使うには
どの技能で使うにしても、オーディオプレイヤーで定期的に繰り返して例文を聞くことが重要です。単に聞くだけでもよいのですが、効果をさらに高めたければ、例文を追いかけてまねてみるシャドウイングや声を出さずに例文に合わせて口をパクパク動かすリップシンクをやってみるとよいでしょう。
本書の英単語を、そのようにして、学習すると、TOEIC Testsで点数がとれるというだけでなく、本当に日常生活やビジネスの最前線で使える英語が身につきます。
皆様の英語学習がテストだけにとどまらず、日々のコミュニケーションに役に立つものとなることを願っております。
英語講師 安河内哲也 先生
一般財団法人 実用英語推進機構、代表理事。1967年 日本の福岡県北九州市生まれ、遠賀郡岡垣町育ち。上智大学外国語学部英語学科卒。大手予備校をはじめ、各種教育関連機関での講演活動を通じて実用英語教育の普及活動をしている。
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