「自分の言葉で話すこと」こそが大切なスキル~大和ハウス工業株式会社 前島 沙耶花さん

公開日:2023年8月16日

国内外で幅広く事業を展開している大和ハウス工業株式会社。海外本部に勤務する前島沙耶花さんは「英語力を身につけることで、ビジネスのチャンスは広がる」と話します。英語力が、どのようにチャンスにつながるのか。前島さんご自身の経験もふまえ、お話を伺いました。

コミュニケーションに必要な英語力

お仕事での英語の活用状況について伺わせてください。

大和ハウスグループは、現在25の国と地域でグローバルに事業を展開しており、海外事業に携わる部署では、日常のビジネスにおいて英語が欠かせないスキルになっています。

私が所属している海外本部・米州事業推進部では、英文契約書の確認をしたり、海外の担当物件の稼働状況を確認するために現場から送られてくる英文レポートのチェックをしたりします。また、海外出張に行った際は、現地のパートナー企業の方と打ち合わせをしたり、逆に海外のパートナー企業の方が来日された際にはアテンドをしたりもします。英語力が求められる場面はたくさんあります。

また、米州や大洋州・欧州等の地域以外のビジネスでも英語は欠かせません。中国では中国語、東南アジアではその地域によってメインで使われる言語は変わりますが、メインの外国語にプラスして、英語を活用する機会が多く、どちらの言語も話せる人が多いように感じます。

英語力を身につけることで、どのようにチャンスが広がるのでしょうか?

大和ハウス工業では業務に応じて人財を社内公募することもあり、業務内容によっては、応募に際し、所定のTOEIC Testsのスコアが必要なものもあります。
もちろん、英語力だけが重要というわけではありませんが、「英語でのコミュニケーションスキルがどのくらいあるか」は選考の際の判断材料になります。英語力があることで、希望する仕事に携われる可能性や選択肢は増えると思います。

英語学習における奨励制度などはあるのでしょうか?

TOEIC L&Rのスコアに応じて祝金が出る制度があります。また、社内でTOEIC L&Rが定期的に実施されたり、オンライン英会話学校や語学学校と会社が提携していて通常よりも安価でレッスンを受けることができる制度などもあります。学習したい人をサポートする制度が整っているのはありがたいですね。

「英語が好き」という気持ちがベースに

ちなみに、前島さんご自身が英語力を身につけることができた経緯について教えてください。海外に滞在された経験をお持ちなのでしょうか?

私自身は、日本生まれ、日本育ちなんです。大学卒業後に就職したのは航空会社で、客室乗務員として勤務しました。その後、高校の英語教師、イギリスの大学院への留学を経て、ご縁があり、現在の大和ハウス工業へ入社しました。振り返れば、私の人生にはいつも英語があったなという気がしていますね。

前島さんご自身が「英語を学びたい」と思ったきっかけは何だったのでしょうか?

中学生のときに、英語の授業でALT(外国語指導助手)の先生と英語でコミュニケーションを取ることができたときに、とてもうれしかったことがきっかけです。それ以降、「英語が好き」という気持ちをずっと大切にしてきました。「好き」という気持ちがベースにないと語学学習は続かないと考えているからです。以降は、好きな海外ドラマを英語字幕で見るなど、なるべく楽しめるように工夫して学習を続けてきました。周囲の方を見ても、例えば音楽が好きな方だったら洋楽を学習素材にするなど、「好き」をベースにしてうまく学習に活用している方が多いように思います。

「英語を学んできて良かった」と思うことは何ですか?

やはり、いろいろな意味で「人生の選択肢」が増えることですね。それはビジネスやキャリアに留まらず、自分の人生を振り返ってみても、英語力があったことで選択肢とチャンスが広がったなと思うことは多いです。また、実際に仕事を始めてからも英語を通じていろいろな機会をいただけたり、いろいろな人と出会うことができたりして、「英語のおかげで人生が豊かになった」と実感しています。以前、通訳をする機会があったのですが、通訳の難しさを実感しながらも、英語で役に立てたことがとてもうれしく、やりがいを感じましたね。

「通訳」と、書類翻訳等とは違いましたか?

全然違います!(笑)特に、スピーキングは難しいです。相手の話を聞いて、自分なりの考えを用意して英語で瞬時にアウトプットする。まだまだ思うようにいかないことが多いです。ビジネスの現場ではプロの通訳の方に入っていただくことも多いのですが、やはり「自分の言葉で話す」ことにまさるコミュニケーションはないと思っています。現地のパートナー企業の方とお話しするときでも、お互いに言語も文化も違う中で信頼関係を深めていくためには、直接話すなど、コミュニケーションをしっかり取ることが大切だと感じます。普段遠く離れた場所で仕事をするからこそ、海外の方とのビジネスでは「会って話せる機会に信頼関係を深めること」と、その上で「正しい文書で残すこと」の二つが特に大切だなと思っています。そのためにも英語で話す・書く力は常に磨いていきたいと思っています。

やはり、継続的な学習が大切だと思いますか?

はい、思います。でも、英語学習の継続って難しいですよね。そういう意味では、TOEIC Testsなどのテストはとても有効だと思います。「次は◯点を目指そう!」と学習を続けるモチベーションになりますし、「今の自分の学習法が合っているかどうか」ということを確かめることができますから。例えばスコアが伸びなかったら、自分の学習法が合っていないということですよね。学習の道しるべになるという意味でも、定期的にテストを受けるというのは大切なことだと思います。

機械翻訳が進化しても、基本的な英語力は必須!

今はAIによる機械翻訳等も進化していますが、そういった現状をどう思われますか?

機械翻訳で作業効率が上がるのは事実なので、私自身も利用することはあります。ただ、どうしても細かいニュアンスの部分は機械翻訳だけに任せられないことが多いように思います。特に契約に関することでは、細かい部分が重要になることも多いので、どんなに技術が進歩したとしても「英語力」は変わらず必要になるものだと思います。

前島さんご自身は、海外と関わるお仕事の「やりがい」を、どのようなところで感じますか?

ビジネスを通じて「誰かの役に立てる」というのを実感できるのはとてもうれしいことです。例えば私たちの会社が持っている技術を活かし、海外でいろいろな開発が行われ、現地の方の生活の利便性が高まったり、現地で雇用が提供されたり……海を越えて「その国に住む誰かの役に立つ」という実感を持てるのが、海外とのビジネスにおいての一番の魅力だと思っています。現地の方と関わる中で、知らなかった文化や考え方を知ることができて、私自身の経験も豊かになりますしね。 これからも、いろいろな可能性を広げるために、英語学習を続けていきたいと思っています。 ぜひ皆さんにも、チャレンジしていただきたいなと思います。

大和ハウス工業株式会社
海外本部 
米州事業推進部 営業グループ 主任
前島 沙耶花さん

中学生時代に英語を学ぶ楽しさを知り、「英語を使った仕事をしたい」と思うように。大学卒業後、客室乗務員、英語教師としての勤務、イギリスの大学院留学を経て大和ハウス工業株式会社に入社。

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