岩手県立不来方高等学校 竹内さん
―今回IIBCエッセイコンテストを知ったきっかけと応募動機を教えてください。
竹内さん:今回応募したエッセイは、もともとはスピーチコンテスト(岩手県主催)の校内予選のために書いたものでした。残念ながら予選を突破することはできなかったのですが、先生が原稿の内容を評価してくださり、エッセイコンテストに挑戦してみたらどうかと声をかけてくれたんです。最初は迷いましたが、せっかくのチャンスなので挑戦してみようと思いました。
―エッセイのテーマは「私を変えた身近な異文化」でしたが、書きたいトピックはすぐに浮かんできましたか?
竹内さん:スピーチコンテスト用に書いた原稿のテーマが、両親の聴覚障害についてでした。両親との生活を通じて感じたことや経験したことを踏まえ、差別意識をなくそうというメッセージを伝えたかったのです。 エッセイはその内容を活かしながら、“異文化体験”というキーワードを軸にしたものに書き直しました。両親は音のない世界、僕は音のある世界に生きています。双方の世界が身近にある環境で暮らしているからこそ気づけたことや、音のない世界にいる人たちの気持ちに寄り添うことの大切さをエッセイで表現してみようと思いました。
―エッセイを書いた際のプロセスを教えてください。
竹内さん:まず自分の感情の変化や揺れ、現在の考えに至るまでの過程を日本語で書き出しました。書き出してみると、それまで気付けなかった様々な発見がありました。 伝えたいことを整理しながら先生と構成を考えました。先生には自分の感情的な部分もシェアしていたので、技術面だけではなく、内容についてもたくさんアドバイスをいただきました。
―どのくらいの期間でエッセイを仕上げましたか?
竹内さん:添削を繰り返したので、大体2ヶ月弱くらいかかったと思います。部活や他の勉強と並行していたので辛い時間もありましたが、周囲のサポートもあり、どうにか書き上げることができました。
―受賞時の感想を教えてください。
竹内さん:まさか最優秀賞をもらえると思っていなかったので、最初は全く実感がわきませんでした。表彰式で審査員の方から表彰いただいたときにようやく実感することができ、じわじわと喜びがこみ上げてきました。両親には最近になってようやくエッセイを見せたのですが、僕が普段どういうことを考えて生きているのかが分かって良かったと思ってくれたようです。
―これまで英語のエッセイを書いたことはありましたか?
竹内さん:「英語表現」などの授業で、ライティングノートに定期的に自分の考えを英文で書いています。授業の課題は60ワードくらいでまとめることが多いので、ここまで長いエッセイ(700ワード)を書いたのは初めてです。
―英語は好きな科目ですか?
竹内さん:英語は小学1年生のときから4年生まで塾で学んでいましたが、実は当時は嫌いでした。しかし中学に入り、小学生の時に勉強していた内容が英語の授業で活かせるようになってくると楽しくなり、どんどん好きになっていきました。得意なのはライティングです。分からない部分を調べながらじっくり取り組むことができる点が、自分に合っていると感じます。
―最後に、今後チャレンジしたいことがあれば教えてください。
竹内さん:今回学んだことを活かしながら、さらに深みのあるエッセイを書けるようになりたいです。そのためにも、自分が考えていることを様々な言葉で表現する訓練を続けていきたいと思っています。また、僕はシャイなタイプなので、留学などを通じて外国の方々と積極的に交流し、スムーズに会話ができるようになりたいです。 将来の夢はまだはっきり決まっていませんが、障害のある方や生活する上で困難な状況にある方たちを、英語を使ってサポートできるような仕事に就きたいと考えています。
(本記事の取材は2019年11月に行いました。)
竹内さんのエッセイはこちら Listening to Silence( 291KB)
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