名城大学附属高等学校 若山さん

―応募のきっかけと、エッセイの題材にクラシック音楽を選んだ理由を教えてください。

若山さん:コンテストに応募するエッセイを書くことは、高校の夏休みの課題でした。それまで英語で文章を書いたことがなかったので、何から手をつければよいのかわかりませんでした。「身近な異文化体験~コミュニケーションを通じた響きあい~」というテーマについては、海外での経験を書くものと思い込んでいたので、海外留学の経験もなく海外旅行に行ったこともない私にとっては、「異文化」というのは遠い存在といいますか、少しハードルが高いように感じました。そこで「身近な」ところに何か題材がないかと生活を振り返ってみたところ、自分にとってクラシック音楽が身近な異文化であるということに気付きました。私はピアノを習っていて、クラシックコンサートにも何回か行きました。その中で特に印象に残っていたのがロシアのクラシック音楽のピアニスト、ニコライ・ホジャイノフのリサイタルだったので、そこでの異文化体験や考えたことについて書こうと決めました。

―どのようにして書き進めましたか?

若山さん:まずは自分がコンサートで見たもの聴いたもの、そして伝えたいものを日本語で書き出しました。それを英文に直していきましたが、夏休み中の課題だったので誰かに教わることもなく、自分が知っている範囲の簡単な英語を当てはめていきました。

―完成させるまでのプロセスで、特に難しかったことは何ですか?

若山さん:難しいと感じたのは、日本語でなら伝えたいことをすぐに書けるのに、英語にすると簡単にはいかないということです。この動詞では言いたいことが伝わらないのではないか、少し違うのではないか、と迷うことが多かったです。そういう時は、自分の言いたいことに少しでも近い言葉を探しながら、試行錯誤して書きました。ぴったりだと思える表現が見つかったときは嬉しかったです。

―自分の体験を文章にしてみると、新たな気付きが得られることがあると思います。今回、エッセイに取り組んだことで、気付いたことはありましたか?

若山さん:音楽家の中にはロシア人も多いのですが、ウクライナで起きていることを悲しんでる人も多いんだなということを感じました。コンサートでは、当事者だからこそ出せる音というものがあり、その音が多くの観客の心を動かす様子を目の当たりにしました。そういったことを思い出し、英語で読み手に伝わるように書く工夫をしました。

―日頃の勉強の中で、英語は得意な方ですか?

若山さん:いいえ、あまり得意ではありません。英語のテストでは通常、その時々で習った単語や英語表現を使わないといけないので、難しく感じてしまうことがあります。ただ、今回のエッセイのように自由に書いてよいのであれば、自分のわかる範囲の単語を使うことができるので、なんとか書けるかもしれないと思いました。

―特別賞受賞を知ったときはどのようなお気持ちでしたか?

若山さん:信じられなかったです。海外に行ったことがないうえに英語力にも自信がない私が選ばれるわけがないと思っていたので、本当に驚きました。

―表彰式に参加された感想は?

若山さん:表彰式では審査員の方々が英語で講評をくださいましたが、私には英語の意味がよく理解できなかった部分もありました。「他の参加者の方々は理解できているのだろうな。わかっていないのは私だけだろうな」と少し心配になりました。親睦会では他の受賞者の方々と交流できて楽しかったです。

―これから本コンテストに挑戦する高校生に向けて、アドバイスをお願いします。

若山さん:難しい単語や表現を無理に使おうとせず、自分の英語力に合った文章でよいので、自分が伝えたいことを書いてみてほしいです。何を伝えたいのか、ということが大事だと思います。

―若山さんご自身は今回の受賞で英語力に自信がついたのではないかと思いますが、これからの英語学習の目標などがあれば教えてください。

若山さん:先ほど「自分がわかる簡単な英語でよい」と言いましたが、この先、大学に進学したり社会に出たりすると、より高いレベルの英語力が必要になる場面が出てくるように思います。ですので、これからは英語の語彙を増やしていきたいなと思います。今回エッセイに挑戦してみて、もっと英語の勉強をしないといけないということを再認識させられました。

―将来の夢やチャレンジしたいことを教えてください。

若山さん:お笑い番組が好きなので、将来はテレビディレクターになりたいです。高校では放送部に入っていて、動画の編集の仕方を学んでいるところです。ディレクターになったら、バラエティー番組やドキュメンタリー番組を作ったり、海外に行って密着ドキュメントを撮ったりしたいです。そのときのためにも、英語は勉強しておこうと思います。

(本記事の取材は2024年2月に行いました。)

お問い合わせ

一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 IIBC高校生英語エッセイコンテスト事務局


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