Global Frontline~グローバルな舞台でチャレンジする人たち~
女性が学び合える場を提供し生き方を選択する希望を与える
プロフィール
大塚ちづる(おおつか・ちづる)
大手総合商社勤務を経て、米国投資銀行ニューヨーク本社とアジアパシフィック支社にて約20年の人事経験を有する。その間、さまざまなビジネスリーダーにとって信頼できるアドバイザーとして4000人以上のグローバル人材の育成および管理に携わってきた。グローバル組織での経験を活かし、イノベーティブな働き方を追求する人材の育成に特化したコンサルタントとして、2014年に独立。多数のハイポテンシャルな女性の支援、多岐にわたる業界のシニアマネージャーのアドバイザーを務める。専門は、ダイバーシティ戦略、人材・組織開発、リーダーシップタレントマネージメント。New York University (NYU)にてOrganizational Development(組織開発)認定取得。
すべての女性は、生き方を自ら「選択」できる
THE CHOICEという名称には、私達の熱い思いが込められています。それは、すべての人が「生き方を自ら選択できる」ということ。自己啓発意識の高い女性達に学びの場、ネットワークの場を提供し、互いにポテンシャルを引き出し、さらには多くの人のロールモデルとなる──そんなことを可能にする組織。つまり、「プロフェッショナルとしての学びの場を提供するユニークな会員制ネットワークグループ」がTHE CHOICEなのです。
THE CHOICEのジュニア層には、さまざまな業界のロールモデルとも言える高キャリアの女性達と知り合える交流の場やイベント、セミナーなどを通して、キャリアアップに役立つコンテンツを提供しています。ほぼ毎月行われるセミナーでは、ここ数年日本でも注目され始めている印象管理セミナー(Image Management: IMAGE & IMPACT™)をはじめ、ホットなビジネストピック(仮想通貨など)を扱っています。また、エグゼクティブの女性向けには企業のCEOなど著名人との交流会(The President’s Dinner)を催しています。今年11月にはトランスフォーメーション「変化の時代、プロフェッショナル女性の新しい可能性の見つけ方」をテーマに、第一回Women’s Summitを開催予定です。次世代の女性への投資として、大学生は無料でご招待します。
THE CHOICEの大きな夢のひとつは、世界中の自己啓発意識の高いアジア女性をつなげること。日本人女性には、ぜひTHE CHOICEにおけるリーダーとして、存在し続けていただきたいと願っています。
「エレガント」な日本人の特質を武器に
強みと弱みは背中合わせであると思います。海外、特にニューヨーカーは自分が大切にしている思いを伝える義務があると考えているように見えますし、伝え方も上手です。やり過ぎると自己主張が強すぎ、オープンマインドではないなどと言われますが、日本人女性はときに譲りすぎではないかと感じます。自己主張の意味をポジティブに考え、世の中に伝えることの大切さも学ぶべきではないでしょうか。これからさらにグローバル化が加速するなか、大切なのは自分の立ち位置を知っていることだと思います。なぜなら、いろいろな価値観や意見が飛び交う日常で、自分が何を大切にしているかを理解していないと、人の価値観で物事が進んでしまうからです。
それでは、日本人女性は何を武器にこの複雑な世の中を生きていけばいいでしょうか。私が人材育成に携わっていたときにすすめていたのは、新しいこと、苦手なことにチャレンジしていくのももちろん大切なのですが、「特性を活かす」ということです。
一方で、日本人の強みは何かと考えると、それはグループエクセキューションの素晴らしさではないかと思います。チームワークで進めていくこと、与えられた役割をきちんとこなせること。これは他のどの国よりも群を抜いていると感心させられます。多様性を取り入れ、それぞれの役割をきちんとこなせたら、鬼に金棒ではないでしょうか。
最近YouTubeでも日本人の細やかさが賛賞されているのをよく見ますし、ニューヨークのタクシーで私が日本人だと分かると、日本人の細やかなスキルの高さなどを絶賛してくれます。「Made in Japan」の信頼度の高さは人にも及びます。組織においても日本人は必ず期限を守ります。「Made in Japan」イコール質の良さ。それに加え、私達のSelfless──身勝手にならない行動、礼儀正しさ、おもてなしの心などはエレガントと言われます。これは、私の大好きな言葉です。
ビジネスの可能性を開く「オープンマインド」
現在日本は、人材について大きな革命時期を迎えています。成功しているグローバル企業の取締役に共通しているのは、オープンマインドであること。オープンマインドとは自分の価値観だけにとらわれないことです。それは、クリエイティブなアイディアや、可能性、ポテンシャル探しのベースとなるものです。また、ご自身だけではこの広い世界を到底見きれないと感じていらっしゃるのか、私のような若輩者にも「また、いろいろ教えてね」などとおっしゃって、意見を聞いてくださいます。
私が考えるグローバルな舞台で活躍する鍵は、「日本を基準にしないこと」でしょうか。そして、時代の流れを常に頭のどこかにおいておくことも大切です。3年前の常識は現在の常識ではないように、すべての事柄において永遠はないと思います。世界も、国も、人も変革し続けるでしょうし、そのスピードはとても速くなっています。それに対処するには、聞きたくないと思ったことでも話に耳を傾けること。マジョリティとは異なる意見だったとしても、耳を傾け、違う意見を聞いてみる。そんな時にダイバーシティの強さが出る環境がつくられると思います。逆にもし自分だけが違う意見だったとしても、勇気を出してぜひシェアしてください。
日本人としてだけでなく、人として、自分自身の強み、弱みを知っておく。できれば客観的に、定期的に人に指摘してもらうといいかもしれません。ポジティブなことは強みとして心得る、建設的なフィードバックはその理由を追求し、謙虚に受けとめること。また、ステレオタイプは当てにしない。大衆の意見に流されず自分なりの価値観をもつことは、このグローバル社会ではとても大切だと思うからです。
―― 大塚さんが大切にしていること
やはり「人との出会い」でしょうか。人はそれぞれ違う価値観をもって生きていることを認識し、違いを受けとめることで学び、成長し続けられたら幸せだと思うのです。「共通を探していると世界は狭まり、違いを探すことで世界が広がる」というのが私の考える世界観。新しい世界を提供してくださる方々と出会えることは、ワクワクしますし貴重な時間です。
その出会いを深い学びにつなげるには、コミュニケーションはとても大切な行為です。発信するだけでなく、相手に理解してもらうことに意義があるので、言葉も慎重に選びます。そして何より、感謝の気持ちを伝えることは最も大切なことではないでしょうか。
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グローバル人材育成プログラムについて
IIBCは、国境のみならず、あらゆる境界を越えて世界で活躍する人材を育てたいと考えています。グローバル化やデジタル化で世界がますます複雑化していく時代に大切な「個としての軸」「決断力」「戦略・ビジネスモデル創出力」「異文化理解力」「多様性活用力」「コミュニケーション力」。グローバル人材育成プログラムは、これらを学び、考え、育む機会を、EVENTやARTICLEを通じて提供していきます。
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